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日本ハム・立田の3年目に懸ける想い。 “運命の場所”札幌ドームで果たす夢【2017ブレイク期待の選手】

今年21歳を迎える日本ハムの右腕・立田将太。自身初の1軍キャンプスタートとなった今季、再び札幌ドームのマウンドに上がる日を目指している。

2017/02/08

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最低ラインは「1軍での勝ち星」

 1軍でどんな投球をしたいか尋ねると、少し考えた後に「まあまあのピッチングでいいんじゃないですかね」という答えが返ってきた。
 
 「最高のピッチングができたらいいかもしれないですけど、(1回目の登板が)めちゃくちゃ良くて、その次ダメだと1軍にずっと居るのは厳しい。先発だったら5回1失点、6回2失点、7回3失点。それくらいのことを継続できればずっと1軍に居られると思う」
 
 これが、立田の考える1軍定着の基準だ。
 
 3年目の今季、初めて米アリゾナ州にあるパドレス・ピオリアスポーツコンプレックスで行われる1軍キャンプメンバーに選抜された立田は、アピールしたいポイントに、“ストレート”を挙げた。
 
「そんなに球が速いわけではないので、球速じゃなくてコントロールとか球の質とかで勝負していかないといけない。2年間丸々下積みしてきたので、実戦などで生かし、披露できれば」と意気込んでいる。
 
 理想の投手像について問うと「横から見てると打てそうなのに、いざ打席に入ると打てないピッチャーになりたい。普通に見てるとすごさを感じないが、試合に入って体感するとめちゃくちゃ打ちづらいピッチャーになりたい」と、語った。
 
 また、現段階での目標は明確ではないと前置きしたうえで、こう話した。
 
「キャンプが終わって自分がどう感じるか。『今年はもしかしたらこれだけ勝てるかもしれない』と思うかもしれないし、自分には足らないものがあると思うかもしれない。自分の最低ラインとしては、1軍に行って勝ち星はあげたい」
 
 最低ラインを「1軍での勝ち星」と話す立田に、最低1勝ということか聞いてみると「そういう言い方は低すぎると思う」と、立田らしい意識の高さが見られた。
 
 日本ハムは昨季後半、大谷翔平、有原航平、ルイス・メンドーサ、増井浩俊、高梨裕稔、加藤貴之でローテーションを回していた。
 
 今季は、WBCに宮西尚生と増井、そして大谷が選抜されている。大谷に関しては、右足首のケガでシーズン序盤から活躍できるか分からず、また増井も抑えに再転向する可能性が高い。となると、助っ人選手たちを除いては、新たに救世主のような選手が出てこないと厳しいだろう。そこに立田が5、6番手の先発投手として割って入ってほしい。
 
 まだ1軍での登板経験がない立田。「1軍に行ったら、初登板をものすごく大事にしたい」と語るその目には、1軍登板を明確にとらえているようだった。少年時代に全国制覇した札幌のマウンドに、プロとして立つ日も近いだろう。今季、どんな姿を見せてくれるのか楽しみだ。

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