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巨人、主力選手は意地を見せるも、首位と17.5差の惨敗。オフには大型補強でチーム再建へ【2016通信簿】

巨人にとっては屈辱の2016年となった。今オフは大型補強を敢行し、来シーズンは高橋監督の真価が問われる1年となる。

2016/12/31

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主軸以外の選手層に課題

野手3点
15年はリーグ最低のチーム打率.243、20本塁打以上0名は55年ぶり……と記録的貧打に泣いたチームも、今季はベテラン勢が復活し、なによりここ数年停滞気味だった坂本勇人が、初の首位打者に加えベストナインとGグラブ賞を獲得するキャリア最高の1年を過ごした。

坂本勇人 137試 打率.344 23本 75点 OPS.988
(15年 130試 打率.269 12本 68点 OPS.754)
村田修一 143試 打率.302 25本 81点 OPS.858
(15年 103試 打率.236 12本 39点 OPS.683)
阿部慎之助 91試 打率.310 12本 52点 OPS.850
(15年 111試 打率.242 15本 47点 OPS.784)
長野久義 143試 打率.283 11本 42点 OPS.729
(15年 130試 打率.251 15本 52点 OPS.725)
※()内は前年成績

前年度と比較すると、それぞれ飛躍的に成績を伸ばし健在ぶりをアピール。しかし、見方を変えれば主力選手が皆「これ以上望むのは酷」というレベルの数字を残しながらも、広島と大差をつけられてしまったわけだ。

代打率.170という数字からも分かるように、とにかく主軸以外の選手層が薄かった。皮肉にも由伸監督が最も必要としていたのは「選手由伸」というカードだったように思う。

24本塁打、68打点のギャレットはCSで11打数無安打と完全攻略され、亀井善行、片岡治大、クルーズらの働き盛りの中堅組も度重なる故障で長期戦線離脱。若手選手でレギュラーを掴んだのは3年目捕手の小林誠司のみ。昨季ブレイクした立岡宗一郎も怪我に苦しみ、同じ90年組の永遠の未完の大器・大田泰示はついに日本ハムへトレード。キャンプから期待された2年目の岡本和真は、先発起用され続けたオープン戦のつまずきが致命的になってしまった。

主力は高齢化し、若手は伸び悩む悪循環。結果、長年同じメンバーで戦い続けることによってベンチに漂う一種のマンネリ感。

2017年、それを打ち破る「劇薬」として投入されるのが、日本ハムからFA移籍した台湾のスーパースター陽岱鋼である。

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