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辻内崇伸、ドラフト1位の肖像――「ジャイアンツに行きたいというよりも、関西から出たかった」【連載第3回】

かつて「ドラフト1位」でプロに入団した選手1人の野球人生をクローズアップする。華やかな世界として脚光を浴びる一方で、現役生活では「ドラフト1位」という肩書に苦悩し、厳しさも味わった。その選手にとって、果たしてプロ野球という世界はどのようなものだったのだろうか。

2016/10/26

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巨人とオリックスによる抽選

 10月3日のドラフト会議、辻内は1巡目で、読売ジャイアンツとオリックス・バファローズの2球団から指名された。
 当初、辻内にはこの2球団の他、西武ライオンズ、千葉ロッテマリーンズ、阪神タイガースなどの指名が予想されていた。これらの3球団は競合を避けて、それぞれ炭谷銀仁朗、柳田将利、鶴直人を指名している。
 
 指名競合による抽選が行われるのは3年ぶりだった。辻内の他、福岡第一高校の陽仲寿にも福岡ソフトバンクホークスと北海道日本ハムファイターズの2球団が競合していた。
 
 まずは辻内の抽選だった。
 
 ジャイアンツの監督、背広姿の堀内恒夫と、バファローズのゼネラルマネージャーの中村勝広が抽選箱の前に立った――。
 
 辻内は同じくドラフトで指名が予想されていた平田良介と共に、大阪桐蔭の一室で待機していた。部屋にはドラフト会議中継が映し出されたモニターが用意されていた。
 
「頼む、頼む、頼むって、念じていました。ジャイアンツに行きたいというよりも、関西から出たいって」
 
 抽選箱から引いた封筒を開けた、中村が笑顔で紙を持った右手を上に突きだした。
――オリックスが交渉権を獲得。

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