石井琢朗コーチが見出すDeNA高卒ルーキーのポテンシャル。田内真翔は「普通の高校ならプロになれなかった」【コラム】
2025/08/15 NEW
【写真:編集部】
田内真翔が描く理想のショート像
未来のハマの遊撃手。どんなプレーが出来たらと頭のなかに思い描いているのだろうか。
「エラーをしない、確実にアウトが取れるショートになりたんです。ファインプレーはピッチャーを助けることができますが、まずは来た打球を、10分の10でアウトにできる正確性がほしいと思って練習しています」
田内が野球を始めたのは小学校1年生のときだ。父親がソフトボールを嗜んでいたため、その影響で白球を追い出した。野球に魅了された部分は、と尋ねると「勝ったら嬉しいし、負けると悔しい」と、そのシンプルさに惹かれたのだという。
プロには淡い憧れはあったが、中学生のときは自分がそうなれるとは考えていなかった。高校は2個上の兄が通っていた影響で、おかやま山陽高校に入学した。
「たいした実力もなくて、プロになれるなんて思ってなかったのですが、高校で堤尚彦監督に出会ったことが大きかったですね」
堤監督は東北福祉大野球部出身の指導者で、おかやま山陽高監督と兼任する形で野球ジンバブエ代表を率いて2020年東京オリンピックアフリカ予選で指揮を執った異色の経歴を持つ。
「どこか普通の人にはない考え方の持ち主で、僕らのなかではぶっ飛んだ先生だったんです。ただ、それがあったから自分自身、他の同世代の選手と比べて違う考え方を持てるようになったし、普通の高校に行っていたらプロにはなれなかったと思います。プロに行けたのは堤先生のおかげですね」
個性豊かな恩師に思いを馳せ、田内は今置かれている状況に感謝を示した。