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「“レオのガリバー”から目が離せない!」西武・村田怜音が継ぐホームラン王の系譜。「チームの象徴となる日は近づいている」【コラム】

2025/08/12 NEW

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産経新聞社



西武・村田怜音

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 プロ2年目の村田怜音が、苦難を乗り越えて才能を開花させつつある。8月に入り、劇的な同点弾となるプロ初本塁打を記録し、本拠地を熱狂させた。背番号99を受け継いだ若き大砲は、低迷するチームを救う希望の光だ。かつての主砲が背負った特別な番号とともに、村田が新たな歴史を刻み始める。(文・羽中田)

 

延長戦で回ってきた”出番”

 
 ニューヒーロー誕生にスタンドが湧いた。
 
 8月2日の千葉ロッテマリーンズ戦。本拠地ベルーナドームは、サマーブルーユニホーム配布試合ということもあって、スタンドが鮮やかな水色に染まっていた。
 

 
 7月16日に今季初の一軍昇格を果たしたプロ2年目・村田怜音は、この日はベンチからのスタートとなった。試合は4-4で延長戦に突入したが、10回にロッテの代打・藤岡裕大に勝ち越し打を浴び、チームは追い込まれていた。
 
 そんな中、直後の裏の攻撃で出番は回ってきた。1死走者なしの場面で、代打・村田がコールされた。
 
 マウンドに上がっていたのは、ロッテの4番手・横山陸人だった。カウント1ー2と追い込まれていたが、4球目の浮いてきたスライダーを捉えると、打球はレフトスタンド中段に突き刺さるプロ1号となった。本人は打った瞬間ホームランを確信し、ベースを一周する際も喜びを隠しきれなかった。
 
 ベンチ前で長谷川信哉にビッグチェーンネックレスをかけられると、雄叫びを上げた。その表情には、昨季のリハビリを乗り越えた青年の喜びと覚悟が入り混じっていた。

 

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