”日本人左腕最速”を記録!それでも驚いた表情すら見せなかった西武・羽田慎之介。東京ドームを揺るがした若獅子がチームの未来を切り開く
2025/07/28 NEW
産経新聞社
同点の9回裏にマウンドへ上がった羽田だが……
今季7月11日、ZOZOマリンスタジアムでの千葉ロッテマリーンズ戦だ。同点の9回裏にマウンドへ上がった羽田だが、2死から寺地隆成に死球。続く安田尚憲には頭部死球を当て、危険球退場となっていた。
帽子を取り、深々と頭を下げてマウンドを降りた。その背中に、悔しさと責任感がにじんだ。
それでも、その後は7月26日の楽天戦まで、無失点投球を披露した。同27日の楽天戦では1失点を喫したが、ミスを恐れず前へ進む姿勢が、若き左腕を一段と成長させている。
今後さらに安定感のある投球を続けていけば、勝ちパターンの一角を確実なものにするだろう。
さらには、今季首位の日本ハム、2位の福岡ソフトバンクホークス相手に全11登板で無失点継続中だ。ここまで西武は日本ハムには5勝9敗、ソフトバンクには7勝11敗と負け越しが先行している。ここからのAクラス争いで、この安定感は心強い。
上位追撃に向けて、今後の羽田の投球が折り返しとなったペナントレースの鍵を握るかもしれない。失敗と成長を重ねながら、ファンの期待よりも遥かに早く大きく成長している。
羽田は昨季9月26日、みずほPayPayドーム福岡で行われたソフトバンク戦でプロ初勝利を挙げた。そして、今季は160キロを記録して、日本人最速左腕となった。
羽田の160キロは、単なる通過点に過ぎないだろう。未知のポテンシャルを秘めた若獅子が、西武の未来を切り開いていく。
【了】