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”日本人左腕最速”を記録!それでも驚いた表情すら見せなかった西武・羽田慎之介。東京ドームを揺るがした若獅子がチームの未来を切り開く

2025/07/28 NEW

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産経新聞社



打ち立てた「日本人左腕最速160キロ」

 
 そう、「日本人左腕最速160キロ」の大記録を打ち立てたのだ。その瞬間、東京ドームは揺れた。
 
 マウンドの羽田は、驚いた表情すら見せない。自分のやるべき仕事に集中していた。その堂々たる佇まいこそが、最大の武器であり、今季プロ4年目の躍進を象徴している。
 

 
 羽田は埼玉県所沢市出身。所沢市立山口中から八王子学園八王子高を経て、2021年ドラフト4位で西武に入団した。
 
 幼い頃からベルーナドームで名選手たちを見て育った少年が、今やそのマウンドを主戦場として腕を振っている。
 
 西武がチーム名に埼玉を冠したのは2008年だが、チームはそれ以来日本シリーズから遠ざかっている。それだけに、将来有望な羽田の存在は、地元ファンの誇りであり、希望の光と言えるだろう。
 
 今季の羽田を語る上で欠かせないのが、奪三振率の高さだ。規定投球回未満も、同僚の今井達也を上回る奪三振率11.25を記録している。
 
 奪三振率とは、投手が1試合(9イニング)あたりに奪う三振の平均数を表す指標だ。現時点ではリリーフ起用だが、いずれは先発ローテーションの柱となるべき存在だ。
 
 西武ファンの期待は日を追うごとに、高まっている。特に160キロを誇る現役左腕は球界でも希少だ。「令和の豪腕左腕」として、背番号「43」が、西武の歴史に新たな1ページを刻む可能性を秘めている。
 
 そんな発展途上の羽田が登板した試合で、忘れられない一戦がある。

 

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