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憧れの存在が目の前にいる。伝統を受け継ぎ、新たな息吹が宿る西武。名門復活の鍵を握る“2人の若獅子”が覚醒へ

2025/05/22 NEW

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産経新聞社



先輩の背中を追い、”西口チルドレン”が切り開く未来

 
 近江高から鳴り物入りで入団し、ブルペンに欠かせない存在となった山田。それに対し、育成契約から這い上がって大きな飛躍を遂げた滝澤。2人は異なる道のりを歩んできたが、同じチームの核となる選手たちを手本に、成長の指針を明確にしていることは共通している。
 
 山田はクローザー・平良海馬を、滝澤は7年連続でゴールデングラブ賞を受賞している源田を目標としている。「憧れの存在が目の前にいる」という環境は、彼らにとってこの上ない刺激となっている。
 

 
 近年では、メジャーリーガーの菊池雄星が手掛けた「King Of the Hill(通称 KOH)」で髙橋光成らが自主トレを行ったように、西武は伝統的に、若手が先輩の背中を見て学び、成長してきた土壌がある。今季の山田や滝澤らの活躍の裏には、平良や源田の存在がある。
 
 西武は西口新監督のもと、5月22日時点でリーグ2位、貯金5と、昨季とは一味違う戦いを演じている。昨季途中から監督代行を務めた渡辺久信氏は「1人でも2人でも多く一軍で活躍できるよう、時には厳しく言うことも大切なんじゃないかと思います」と就任会見で話したが、西口監督のもとで実を結び始めている。
 
 ”西口チルドレン”が1人でも多く一軍で活躍すれば、チームの勢いはさらに加速するだろう。日々成長していく彼らの活躍から、今後も目が離せない。

 

 
【了】

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