苦しい展開の中で生まれた西武・中村剛也の一発。状態の良さを示したのは第4打席の”2球目”
2025/05/14 NEW
産経新聞社

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埼玉西武ライオンズは昨日、敵地・京セラドーム大阪で福岡ソフトバンクホークスと対戦し、1対6で敗れて連勝は4でストップした。相手投手陣を打ち崩せない苦しい展開となったが、その中で見せ場を作ったのがベテラン・中村剛也だった。「おかわりくん」の愛称で親しまれてきた主砲が今、大きな記録に向けて歩みを進めている。(文・羽中田)
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今月11日のロッテ戦で10得点を奪い、4連勝と勢いに乗っていた西武だが、昨日の試合はホームベースが遠い展開となった。
ソフトバンクの先発、リバン・モイネロの前に、西武打線は2回表から4イニング連続で先頭打者が出塁したものの、あと一本が出ず。6回表終了時点で三塁を踏むことすらできなかった。
今月6日に7回1被安打6奪三振無失点でモイネロに3勝目を献上したばかりだった西武は、この日も攻略の糸口をつかめず、二週続けて苦杯を舐める結果となった。
一方で、悔しい敗戦の中にも収穫はあった。7回表、プロ24年目の中村が今季第3号となる本塁打を放った。
中村はこの日、「5番・DH」でスタメン出場。第1打席はストレートに空振り三振に倒れたが、第2打席ではフルカウントから曲がり球を見極めて四球を選んだ。
そして迎えた第3打席、スライダーを完璧に捉え、打球は京セラドームのレフトスタンド上段へ一直線。打った瞬間、それと確信する一発だった。
今月4日の北海道日本ハムファイターズ戦以来となる5試合ぶりのアーチに、西武ファンが陣取るレフトスタンドは大いに沸いた。
9回表の第4打席でも、中村は5点を追う厳しい展開の中で集中力を切らさなかった。ソフトバンク3番手・杉山一樹に対し、1死走者なしから3球目を捉え、左中間を破る二塁打。この試合2本目の長打を記録した。
特筆すべきは、その前の2球目のファウルだ。インサイド高めのストレートを振り遅れることなく鋭く引っ張り、打球は三塁側スタンドへ高々と舞い上がった。杉山の威力ある速球に押し込まれず弾き返したその姿から、中村の状態の良さがうかがえた。
この日の一発で、中村の通算本塁打数は481本となり、節目の500本塁打まで残りは「19本」となった。
今日は舞台をみずほPayPayドーム福岡に移しての一戦となる。西武の先発は、昨年の新人王・武内夏暉。今季初先発となるが、中村を中心に、早い段階で援護点を与えたいところだ。
【了】