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キャンプ初日の紅白戦で再確認。2023年チームのヘソは「3番・松本剛」【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#192】

ビッグボスフィーバーだった昨年と雰囲気は一変、キャンプ初日から紅白戦を実施した。今シーズン、新庄監督はレギュラー固定の意向を示しているが、チームのキーマンとなるのはやはり松本剛だ。

2023/02/04

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産経新聞社



ワカゾーの時代を終えた野村、清宮

 春季キャンプが始まった。去年は「ビッグボス」フィーバーで、報道も含め変なテンションになっていたが、今年はみんな慣れたんだなぁと思う。朝、球場入りする顔が違う。どの顔も「オフの間にやってきましたよ」という表情だ。それもそのはず、新庄監督は初日から紅白戦を組み、2月中にレギュラーメンバーを固定する考えを示していた。まぁ、「2月に固定」は(その後、ケガしたり、調子落ちする選手だって出るだろうし)さすがに早すぎると思うが、指揮官がそう言う以上、仕上げてくるしかない。ていうか今のキャンプは「個人でできることは個人でやってくる」が主流だ。昔のように練習時間がやたら長く、球団のメニューに沿って「やらされる準備」は流行らなくなった。
 
 午前中は野村佑希と清宮幸太郎の落ち着きを頼もしく思った。野村はオフの間に下半身がでかくなっている。清宮は顔が引き締まり、全体に筋力アップした感じだ。チームの顔になる二人だ。今季初のフリー打撃は並んだケージで同時に行った。感触を確かめながら打っている姿もよかったが、感じ入ったのは1回目を終えて、ケージの後ろで言葉を交わす二人の放つ気配だ。「張り切ってる」のじゃない。あ、二人はワカゾーの時代を終えたんだなという感覚。僕は仕事してくれると直感した。他球団の高額年俸の主力と比べてどうかはわからないが、間違いなく彼らはファイターズの主軸を担う。
 
 午後は紅白戦だ。以前から度々書いているが、僕はキャンプの「初」に注目する。初フリー打撃、初ブルペン、初打席、初登板…。キャンプ初日は雄弁だ。その選手の気構え、覚悟、準備、意欲がそのまま露わになる。なかでも「初」は面白いのだ。だいたい「初」を見ればその選手の今シーズンが占える。これは結果の話じゃないのだ。例えば漫然と打ってヒットになったのか、狙いがあったのかは違う。
 
 と思ったらGAORA解説の鶴岡慎也さんが「去年、ひちょりが『キャンプ初日のフリーバッティングを見たら、その年、活躍する選手がわかる』って言ってて、ホントその通りになりましたよね。去年、抜群に良かったのは松本剛と宇佐見でした」と言ってくれた。あ、それはよく覚えている。まぁ、さすがに松本剛が首位打者に輝くとは皆、想像もしなかったけれど。今年もそんな大飛躍を遂げる選手がいないかと目をサラのようにして見てしまう。
 

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