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おかわり君、中村剛也は史上最強のスラッガーだった?! 【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第13回目は、歴代の長距離打者を「平均塁打」の数値から考えてみた。

2014/10/27

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中村剛也は、歴史的な大打者である!

 彼のキャリアSTATSを見てみよう。
 
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 中村剛也がレギュラーの座を獲得したのは2008年。以後の7年間で本塁打王を5回、そして「平均塁打1位」を6回も獲得している。
 
 怪我や故障がなければ、ほぼ間違いなくトップに立っているのだ。
 
 凄かったのは2011年。「統一球」の導入によって本塁打が激減する中、中村はリーグ本塁打総数454本の1割以上にあたる48本を打っていた。これはロッテ1球団の本塁打数46本をも上回っている。
 2013年、60本塁打の新記録をマークしたヤクルトのバレンティンでさえリーグ本塁打総数714本の8%に過ぎなかった。一人だけレベルの違うバッティングをしている。
 
 中村は今季終了時点で打席数が4000を超えた。歴代強打者と比較できるキャリアを積み重ねたと言えよう。
 そこで、NPBの「平均塁打」ランキングを作成してみた。
 
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 中村は王貞治を抜いて「平均塁打」1位になった。3位以下には田淵幸一、大豊、タフィ・ローズ、カブレラと錚々たる顔ぶれが並んでいる。
 
 中村はこの中では打席数が最少。今、働き盛りであり、この数値は「瞬間最大風速」に過ぎない。これから数値は落ちるのではないか、という意見もあるだろう。
 
 しかし中村は、王貞治や田淵幸一が活躍した時代よりも、両翼が10mも広い球場でプレーしている。
 しかもボールは、修正されたとはいえ反発係数が低く抑えられた「統一球」だ。
 
 そんなハンデキャップをものともせず、歴代トップに立ったのは、やはり偉大ではないだろうか。
 
 中村の打席を見ていると、バットを持つ手にあまり力が入っていない。ぐにゃぐにゃとバットをこねるようなしぐさをしながら、こう言っては本人に大変失礼だが、やる気がなさそうに打席に立っているように見えて、好球が来ると、すさまじい勢いでバットを一閃する。
 
 オールドファンの私には、その姿は野村克也をほうふつとさせる。
 
 野村も打席ではやる気がなさそうなそぶりを見せつつ、左翼席にすさまじい本塁打を叩き込んだ。体型も良く似ていた。野村克也同様、打撃の極意をつかんでいるのではないか。
 
 中村剛也は来年には32歳。全盛期はあと5年くらいだろうか。怪我や病気をせずに、その豪快なバッティングを見せ続けてほしい。
 
 我々は「歴史的な大打者」を目の当たりにしているのだ、という認識を持つべきだと思う。

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