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正田、藤原の両左腕が持ち味を発揮。独自採点で2015年プロ野球トライアウトを振り返る(投手編)

11月10日、「日本プロ野球12球団合同トライアウトin静岡」が草薙球場で行われ、投手34人、野手14人が参加した。昨年までは2回にわけて開催されていたが、今年はこの日1回のみ。投手は打者3人と対戦、野手は1人7打席が与えられ、各球団の編成担当、そして詰めかけた観客の前で、気持ちのこもったプレーを見せた。

2015/11/12

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ベースボールチャンネル編集部



 11月10日、「日本プロ野球12球団合同トライアウトin静岡」が草薙球場で行われ、投手34人、野手14人が参加した。昨年までは2回にわけて開催されていたが、今年はこの日1回のみ。投手は打者3人と対戦、野手は1人7打席が与えられ、各球団の編成担当、そして詰めかけた観客の前で、気持ちのこもったプレーを見せた。

 各選手の結果を振り返りながら、プロ野球の世界での可能性を探ってみたい。

 これまでの実績というよりは、今日のトライアウトでのパフォーマンスを主として、以下のように評価をつけさせていただいた。

A=まだ活躍できる
B=可能性あり
C=大きな変化が必要

正田が、持ち味を発揮してアピール

1.菊地和正(元DeNA/群馬)
採点:C
VS.田上 空振り三振
VS.林崎 右前ヒット
VS.貴規 右中間二塁打

群馬ダイヤモンドペガサスではコーチ兼選手としてプレーし、25試合25イニングを投げて、防御率2.88。トライアウトではストレートの最速138キロで、アベレージで130キロ前半。昨年右肩の手術を受けた影響もあったのか、残念ながら全盛期と比べると、ストレート、スライダーともにキレ、コントロールが落ちていた。

2.上園啓史(楽天)
採点:C
VS.山本 遊ゴロ
VS.渡邊 三ゴロ
VS.三家 一ゴロ

今季は一軍での登板機会がなく、楽天を自由契約となった。第一打者の山本に対して追い込んでからフォークを投げるも、引っかけたワンバウンド。三人を内野ゴロに仕留めたが、「武器」が見えず、強いアピールにはつながらなかった。

3.加藤康介(阪神)
採点:B
VS.藤澤 見逃し三振
VS.田上 二ゴロ
VS.林崎 中フライ

37歳のベテラン左腕。藤澤(左打者)にインコース2球で追い込むと、最後は外のスライダーで見逃し三振。続く田上(左打者)も変化球を巧みに駆使し、セカンドゴロに打ち取った。左対策として、どこまで評価されるか。

4.正田樹(元ヤクルト/愛媛)
採点:A
VS.貴規 投ゴロ
VS.山本 空振り三振
VS.渡邊 見逃し三振

正田PH

左スリークォーターから「老獪」なピッチングで、打者3人にフルスイングをさせなかった。山本には追いこんでからのフォークで空振り三振。渡邊にはカーブ3球で1ボール2ストライクを作ったあと、139キロのアウトローストレートで見逃し三振。緩急を生かした投球術に関しては、参加したピッチャーのなかで一番といっていい。まだまだ、戦える。

5.榊原諒(オリックス)
採点:C
VS.三家 四球
VS.藤澤 中飛
VS.田上 二ゴロ

ストレート、変化球ともに高く浮く、苦しいピッチング。持ち味の制球力を発揮することができなかった。まだ30歳。一軍での経験は豊富なだけに、復活に期待をしたいが。

6.森内壽春(日本ハム)
採点:B
VS.林崎 空振り三振
VS.貴規 中前ヒット
VS.山本 右越え二塁打

右スリークォーター。2014年にトミー・ジョン手術を受け、今年復帰登板を果たした。一軍でも2試合に登板している。この日は右打者2人に対して、インコースを狙ったストレートの制球が定まらず、すべて逆球に。コントロールが課題。

7.山内壮馬(中日)
採点:B
VS.渡邊 投ゴロ
VS.三家 中飛
VS.藤澤 四球

良くも悪くも、まとまったピッチング。両コーナーを丁寧に突き、無難におさえた。ただ、全盛期に比べると球の勢い、キレともに落ちている感じは否めない。

8.玉置隆(阪神)
採点:C
VS.佐藤 空振り三振
VS.原  三ゴロ
VS.中村 二ゴロ

佐藤に対して、1ボール2ストライクから低めに落ちる変化球(131キロ)で空振り三振。9球投じた中で一番の球だった。何かひとつ武器が欲しいところ。

9.藤江均(楽天)
採点:C
VS.白根  左中間二塁打
VS.角   空振り三振
VS.鵜久森 中飛

白根に1ボールからの低めストレートを完璧にとらえられ、左中間フェンス直撃の二塁打。ストレートのキレが戻ってこなければ、苦しい。角を空振り三振に打ち取ったスプリットは、藤江らしいナイスボール。

10.前田祐二(オリックス)
採点:B
VS.大平 二ゴロ
VS.佐藤 見逃し三振
VS.原  左飛

130キロ中盤のストレートと、100キロ代前半のカーブで打者3人を仕留める。左に対してのカーブは面白いボールだが、先発ローテに入っていた頃はストレートが140キロを超えていた。ストレートの状態がよくなることが、最優先課題。

11.江村将也(ヤクルト)
採点:B
VS.中村 空振り三振
VS.白根 右飛
VS.角  一飛

自己アピールに「投げっぷりの良さを見てください」とあったとおり、がむしゃらに腕を振って、持てる力を出し切った。キャッチャーミットを叩く音の響きは、トライアウト組ではトップクラス。中村を空振り三振に奪ったスライダーもよく切れていた。ただ、左バッターには外中心の配球で、インコースはゼロ。インコースをどこまで投げられるか見てみたかった。

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