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昭和、平成、そして令和へ…一時代を築く「怪物」の系譜。最強投手たちの伝説とは

2022/04/22

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産経新聞社



松坂大輔(まつざかだいすけ)

投打:右投右打
身長/体重:182センチ/92キロ
生年月日:1980年9月13日
経歴:横浜高
ドラフト:1998年ドラフト1位
〇沢村栄治賞:1回(2001年)
〇新人王(1998年)
〇最多勝:3回(1999-2001年)
〇最優秀防御率:2回(2003-04年)
〇最多奪三振:4回(2000-01、03、05年)
〇ベストナイン:3回(1999-2001年)
〇ゴールデン・グラブ賞:7回(1999-2001、2003-06年)
〇カムバック賞(2018年)
〇オールスターゲーム出場:7回(1999-2001、04-06、18年)
〇シドニーオリンピック出場(2000年)
〇アテネオリンピック出場(2004年)
〇ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場:2回(2006、09年)
※タイトルはすべてNPB時代に受賞。
 
 “平成の怪物”として球界を席巻した松坂。横浜高3年時には、数々の激闘を制して春夏連覇を達成。特に夏の甲子園決勝戦では、無安打無得点試合(ノーヒットノーラン)で有終の美を飾る偉業を成し遂げた。その圧倒的な活躍から、同世代の選手は「松坂世代」と呼ばれることとなる。
 
 大きな注目を集めたドラフト会議では、3球団(横浜・日本ハム・西武)競合の末に西武へ入団。150キロを超える速球、切れ味抜群のスライダーを武器に高卒1年目から開幕ローテーション入りを果たし、16勝5敗、防御率2.60をマーク。いきなり最多勝とベストナイン、ゴールデン・グラブ賞、新人王に選出される鮮烈デビューを飾った。同年から3年連続最多勝を戴冠。特に01年には、33試合(240回1/3)を投げ、15勝、214奪三振、防御率3.60、完投数もリーグ最多の12(うち2完封)を数え、沢村栄治賞などに輝いた。その他にも、8シーズンで最優秀防御率2回(2003、04年)、最多奪三振4回(2000-01、03、05年)を獲得し、04年には日本一の立役者に。06年シーズン前に開催された第1回WBCでは、エースとして日本代表を世界一に導き、大会MVPを受賞。国際大会でも十分な実績を残し、同年オフに満を持して海を渡った。
 
 争奪戦の末、6年総額5200万ドル(当時約61億1000万円)でレッドソックスと契約。メジャーリーグでも初年度から躍動した。同年のレギュラーシーズンでは、防御率4.40ながら15勝、201奪三振の成績で、地区優勝に大きく貢献。ポストシーズンでも日本人初勝利を含む2勝(リーグチャンピオンシップシリーズ1勝・ワールドシリーズ1勝)を挙げ、いきなりチャンピオンリングを手にした。翌年には18勝3敗、防御率2.90をマーク。09年に開催された第2回WBCでも連覇の原動力となり、2大会連続MVPを受賞した。しかし、同年のレギュラーシーズンでは成績不振に陥ると、その後は2桁勝利に届かず。14年オフにソフトバンクと3年契約を結び、日本球界復帰を決断した。

 ソフトバンク時代は度重なる故障に泣き、3シーズンでわずか1試合の登板。期待に応えることはできなかったが、18年に中日へ移籍すると、ツーシーム、カットボールなど動くボール主体の投球へモデルチェンジ。11先発で6勝を挙げ、カムバック賞を受賞した。その後は再びけがに苦しみ、20年に古巣・西武へ14年ぶり復帰。昨季限りで日米通算23年間の現役生活を終えた。
 
 NPB通算成績は、219試合(1464回1/3)を投げ、114勝65敗1セーブ、1410奪三振、防御率3.04。
 
 MLB通算成績は、158試合(790回1/3)を投げ、56勝43敗1セーブ3ホールド、720奪三振、防御率4.45となっている。

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