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わからないなりに情報量満載。初々しさと期待感が溢れた新人合同自主トレ初日【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#164】

年が明けて、新人合同自主トレが始まった。新庄ビッグボスはじめ体制一新となった首脳陣が13人のルーキーを見守る景色は、改めて新生ファイターズのスタートを象徴させるものとなった。

2022/01/10

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即戦力!社会人出身ルーキーへの期待

 9日、新人合同自主トレ初日を見て、本当にワクワクしたのだ。正月特番で連日、「新庄ビッグボス」は見ていたけれど、やっぱりバラエティー番組と球場の生中継はぜんぜん意味が違う。鎌ケ谷の2軍施設はところどころ先週の雪が残り、実際の気温以上に寒々しいのだった。それでもルーキー9人、育成ルーキー4人の「鎌ケ谷殿の13人」が姿を見せると球春到来が間近に迫っているのを実感する。
 
 今週は期待感だけのコラムだ。自主トレは(合同だろうと)あくまで自主トレだ。ルーキーの真価なんてはかりようがない。まして初日だからストレッチ等、準備がメニューの主体だ。いわば身体慣らし。そんな段階で「この投手は2ケタ勝利」「この打者は3割」なんて言ってたら信用をなくす。そういうところは何もわからないのだ。わからないのだが、球場の光景のなかで色々気づくこともある。
 
 13人のルーキーのなかでやっぱりひと際目立っていたのはドラフト1位の達孝太(天理高)だった。やっぱり194センチ90キロのサイズは目立つ。育成1位の福島蓮(八戸西高)も190センチあるのだが、こちらは70キロとヒョロヒョロだ。高卒ルーキーは特に1年目は身体づくりも大事な仕事になる。
 
 達孝太も当然、例外ではないのだが、身のこなし、バランス感覚にパッと目をひくものがある。ジョグをするんでも何でも、皆、ドラフト順位を意識してるわけじゃなかろうになぜか達君が先頭になる。やっぱり「オーラ」のようなものなのか。身体のサイズだけじゃなく、遠目でも「あ、あれが将来のエース候補か」と納得させられるものがある。僕はこれを面白いと感じた。
 
 が、達孝太と少し距離を取って、ドラフト9位の上川畑大悟(NTT東日本)と3位の水野達稀(JR四国)がジョグを始めた。社会人出のルーキーだ。僕は今、ドラ9の上川畑のほうを先に言った(フツーはドラフト上位から記すだろう)けれど、「達=ドラ1の後を何となくついていく」流れと別行動を意図的に取ったのは上川畑が先だった。落ち着いている。大人だ。上川畑と水野は2人でコミュニケーションを取りながら、並走していく。「オレは違う」「オレらは違う」というギラギラしたものを感じる。即戦力なのだ。キャンプも開幕も1軍メンバー入りが目標だ。
 
 僕は上川畑の積極性を面白いと思った。ドラフト順位はいちばん下の9位だけど、このなかで1ケタ背番号をもらったのは上川畑だけだ。その背番号「4」は直近は谷口雄也がつけていたけれど、守りのスペシャリストという意味では奈良原浩、飯山裕志に通じるものだろう。
 
 球場の光景といえばルーキーだけじゃなく、刷新されたスタッフ、コーチ陣も注目だった。最初、ベンチ前に稲葉篤紀GM、金子誠野手総合コーチ、田中賢介スペシャルアドバイザーが並び、とても壮観だった。皆、スーツにネクタイ、自前のコートを着込んでグラウンドに立っている。その向こうには新人選手の担当スカウトが並んでいる。新人合同自主トレの初日はそういう決まりだ。
 
 と、新庄ビッグボスが姿を現した。赤いセーターに黒いコート。球場の空気が変わる。報道陣も観客も色めきたち、そのザワザワが選手にも伝染していく。このザワザワ感がいちばんの見ものだった。新庄ビッグボスは山田勝彦バッテリーコーチ、木田優夫2軍監督と談笑し、ルーキーがキャッチボールを始めるとベンチ隅からじっと見入っていた。絵になるのだ。これは春季キャンプでも一挙手一投足が注目されるに違いない。
 
 現場復帰した稲田直人内野守備走塁コーチも控えめに(こっそりという感じで)グラウンドに立つ。そういうスタッフの空気感が初々しい。栗山英樹前監督の10年政権が終わったんだなぁと実感する。

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