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伊藤大海の二桁勝利とともに、最下位脱出を!【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#158】

今季、最下位からなかなか脱出できなかったファイターズだが、ここにきて西武を射程圏内にとらえた。5位浮上にはやはり伊藤大海の力が必要だ。

2021/10/17

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西武との直接対決。初戦は大勝するが伊藤で勝てず

 5位攻防戦の第1ラウンド。アーリン、高橋光成の先発で始まった21回戦は思わぬ展開になった。あれだけタイムリー欠乏症が慢性化し、残塁の巨大山脈(?)を築いてきたファイターズ打線が爆発、10対2で大勝してしまったのだ。通常なら打線爆発は山賊打線・西武のお家芸だ。先取点を許すも早い回に逆転し、そのままリードを保って、終盤には清水優心のグランドスラムまで飛び出すという圧倒ぶり。これで最下位脱出は俄然、現実味を帯びてきた。未勝利だったアーリンで(敵のエース、高橋光成に)勝てたんだ。これでゲーム差0に肉薄した。翌日の22回戦は黄金ルーキー、伊藤大海の予告先発だ。足踏みしていた大海10勝目とチームの最下位脱出と、祝い事が2つ重なりそうだ。僕は最高のタイミングで札幌に来たようだ。
 
 と思ったら、22回戦は貧打のハムに逆戻りだった。今季17度目の無得点敗戦。西武・松本航も良かったが、チャンスが皆無だったわけじゃない。翌日の道新スポーツの見出しは「大海粘投見殺し」。7回(115球)6被安打2四球2失点の頑張りが報われることはなかった。伊藤はベストピッチとは程遠い内容だったと思う。要所で甘くなり、それを中村剛也に仕留められた。それでも立派に試合はつくったのだ。伊藤は援護さえあったら15勝してもおかしくないナイスピッチングを続けている。勝ち星がつけてやれなくてホントにつらい。とうとう9勝9敗(21試合)と五分の星になってしまった。
 
 だからファイターズはまた5位まで1ゲーム差まで戻ってしまった。伊藤大海の勝ち星もチーム浮上も足踏みだ。でも、目標が何もないよりマシだ。来週もメットライフドームで直接対決第2ラウンドがある。プロ野球の常識なら3月からずっと最下位のチームは淡々と消化試合をこなしているはずだ。それがこの若くて小粒なチームは頑張って(負けて)いる。大勢から見て5位でも6位でもどうってことないのだろうと思うが、僕は今シーズンでこの5位攻防戦がいちばん楽しい。
 
 ずーーっと最下位なんだ。上しかほかに見るところない。上を向いて頑張ろう。伊藤大海に10勝目をつけよう。最下位を見事脱出してやろう。あぁ、5位にもマジックが出ないかなぁ。他会場で西武がどうなってるかこんなに気にして暮らしているのに。

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