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『選手の能力をすべて数値化』でMLBが変わる? 画期的なシステム”スタットキャスト”

ビリー・ビーン(現アスレチックスGM)が『セイバーメトリクス』という統計学を用いた手法で独自に選手を評価するシステムは、その後一般的になった。そして『選手の能力を数値化する』といった分野は、テクノロジーの発展とともに、近年飛躍的に進化しつつある。

2015/07/17

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MLB.com

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画期的なテクノロジーシステムを導入した、MLB専門チャンネル

 今シーズン、MLB専門チャンネルである『MLBネットワーク』は、「STAT CAST(スタットキャスト)」と呼ばれる画期的なテクノロジーを利用したサービスを導入。このサービスは、『トラッキング』という機能を付加した、高解像度のビデオカメラを使用する。このビデオカメラを使用することで、グラウンド上でのプレーを瞬時に、細かく数値化できるのだ。

 この機能は元々、ミサイルなどを追尾することを目的としている軍事技術で、このトラッキング機能が、ミサイルの代わりに、打球や選手の動きを『ロックオン』するというわけだ。
 これを全30球団の球場に設置。試合中のありとあらゆる動きを計測し、数値化し、画像処理する。

 これによって投手の球の速さはもちろん、投球時のリリースポイント、球の回転数、球の傾き、打者が打った際の打球の速さ、角度、方向、落下地点までも分析し、数値化してしまう。また、選手自身に『ロックオン』すれば、ベースランニングや盗塁時の初速、トップスピードまでの加速度、歩数等が分析可能になる。

 この技術は走塁だけでなく、守備能力の数値化にも応用可能だ。
 長年、守備能力の適正な評価は、常にファンの間で議論の中心となってきた。ダイビングキャッチなどに代表される、いわゆる『派手なプレー』はどうしても評価者の主観が入ってしまう。しかしこの技術を応用することにより、守備能力は、より正確により客観的に数値化され、公正な評価が可能となる。

『mlb.com』の記者であるポール・カセラは、このスタットキャストが弾き出すデータが、世界中の野球ファンの心をガッチリとつかむだろうと示唆している。

Have you wondered how fast the ball comes off of Giancarlo Stanton’s bat? How much ground Andrew McCutchen actually covers in center field? Or just how fast Billy Hamilton really is? Thanks to Statcast, a revolutionary tracking technology, we can finally get definitive answers.
あなたは、ジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)のバットスピードが、どのぐらい速いかを知っていますか? アンドリュー・マカッチェン(パイレーツ)のセンターの守備は、本当はどのぐらいカバーできているのでしょうか? ビリー・ハミルトン(レッズ)はどのぐらい速く走れるのでしょうか? おまかせあれ、スタットキャストの革新的なトラッキング機能により、我々は本当の答えを得ることができます。

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