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新型コロナ禍でMLBはマイナーリーグへのさらなる支配力強化を目指している。野球専門サイトがレポート

2020/04/15

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入場料ありきのビジネスモデルでは厳しく…

 新型コロナウィルス感染拡大のため、PBAの次回交渉は4月22日に電話会議で行われることが予定されている。スポーツ専門誌『The Athletic』によれば、MiLBは現契約の有効期限を1年延長することを既に申し入れているらしい。2020年シーズンが大幅に短縮、あるいは中止になる可能性を考えると、契約期限延長は理にかなった提案のように思えるが、MLBはこの件についても合意していないようだ。
 
 まるで巨大ビジネスの強引なM&A劇を見るようであるが、MLBのこうした強気な姿勢の背景には新型コロナウィルスによる2020年シーズン延期があることは間違いないだろう。MLBの昨年度の全体収益は史上最高の約1兆1500億円にまで達した。経済紙『Forbes』の試算では、仮に今シーズンを開催できなくなったとしても、MLB全体の損失は約4300億円に留まると予想されていて、組織としてはまだ財政的に余力がある。仮に無観客試合でリーグを再開できれば、ある程度のネット収入やテレビ放映権料も期待できる。
 
 一方でマイナーリーグは収入のほとんどを球場入場料に頼るビジネスモデルであるため、試合数が少なくなることによる影響はメジャーリーグよりはるかに深刻だ。マイナーリーグを無観客試合で開催しても、放映権料などから来る収益はほとんど望めない。
 
 全米の多くの地域でマイナー球団は草の根の野球文化を発展、継承させることに大きな役割を担ってきた。今そのアイデンティティが危機に瀕している。だが、こうしたビジネス論理が前面に出た展開を好むと好まざるは別にして、削減対象となっているマイナー球団を持つ地域の野球ファンにとっては、MLBがマイナー球団の経営により深く関わることが、地元から野球の火を絶やさないための最後のチャンスになるかもしれない。
 
角谷剛

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