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「夢を叶えた」ではなく「夢の始まり」 元巨人ドラ1・村田透がメジャーデビュー

現地時間28日、また一人、日本人メジャーリーガーが誕生した。元巨人の村田透が4年間のマイナー経験を経てメジャー初登板を果たした。

2015/06/29

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阿佐智



課題は制球よりもスピード

 当初村田は、日本と同じ、制球重視の姿勢を貫いていた。

 しかし、アメリカではクラスが上がれば上がるほど、力のない球は、簡単にスタンドまでもっていかれた。一昨年、2Aでプレーする村田を訪ねたとき、この年のWBCで日本を破って準優勝を飾ったプエルトリコを率いた所属チーム、アクロン・アエロズの監督であるエドウィン・ロドリゲスは、2Aのスターターとして十分な実力があるとしながらも、メジャーへの課題として、スピードを挙げていた。

 実際、この時、すでにメジャー経験のある相手打者も変化球については及第点を出していた。それに加えて、昨年からはスピードにもこだわり、フォアボールを気にせず、強い球にこだわったとも言う。

 今回の昇格は、雨天中止のため、ダブルヘッダーが組まれることとなり、投手の登録枠が1人増えたことによるものだという。要するに、先発要因が不足したため村田に声がかかったのだ。今回に関しては、村田の登板はこの試合だけで、勝っても負けても翌日には3Aに戻ることになる。

「自分のピッチングをする。それだけです」

 メジャーデビューを前に、村田はこのメッセージを残してくれた。この言葉に、村田の5年間が凝縮されている。
 村田のメジャー昇格について、「夢を叶えた」という報道が多々あったが、そうではないだろう。彼にとってメジャーのマウンドは、夢の始まりでしかない。村田透の進む道の終わりは、まだずっと先にある。

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