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本拠地「グレート・アメリカン」は保険会社の名前? 開幕日は市民の休日に? …秋山翔吾が入団する古豪シンシナティ・レッズはどんなチーム?

2020/01/23

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開幕日は市内のオフィス・学校が休みに

ビッグレッドマシン
 レッズの黄金時代は1970年代中盤に訪れた。ジョニー・ベンチ、ジョー・モーガン、トニー・ペレス、ピート・ローズ、ジョージ・フォスター、ケン・グリフィー・シニアらが名を連ねた強力なラインアップは「ビッグレッドマシン」と呼ばれ、1975年、1976年と2年連続でワールドシリーズ優勝を果たしている。今でもこの当時のレッズをMLB史上最強チームと推す声も多い。
 
 ビッグレッドマシンは日本にも強烈な印象を残している。1978年に日米野球で単独チームとして来日し、14勝2分け1敗という成績で日本プロ野球を圧倒し、メジャーリーグの強さを昭和の野球ファンにまざまざと見せつけた。日米間の実力差が現在とは比較にならないほど大きく、王貞治などの名選手がメジャーリーグではたして通用するかという話題が語られていた時代である。何しろ星飛雄馬の魔球が「大リーグボール」と呼ばれていたのだ。
 
古き良きナショナル・パスタイムが残る街

 レッズが本拠地を構えるオハイオ州シンシナティは周辺を含めると都市圏人口は200万人を越えるが、ニューヨークやロサンゼルスのような大都市とは比べるべくもない小さなマーケットだ。その分、唯一のメジャー球団であり、地域に密着したレッズの地元での人気は高い。レギュラーシーズン開幕戦が行われる日は「Reds Opening Day」と呼ばれ、市内のオフィスや学校が休日になり、試合前にはパレードが行われるほどだ。
 
 本拠地球場であるグレート・アメリカン・ボール・パークは2003年開場の比較的新しい球場だ。サイズは小さく、ホームランが出やすい打者有利のバッターズ・パークと言われている。「グレート・アメリカン」といかにも愛国的な球場名はこの土地柄によく似合っているように思えるが、実は命名権を買い取った保険会社名によるものである。
 
 オハイオ州にはトヨタやホンダなど日本の自動車関連企業の多くが拠点を置き、日本からの赴任者や帯同家族の数も少なくない。秋山が活躍すれば、多くの日本人がグレート・アメリカン・ボール・パークへ観戦に訪れることになるかもしれない。
 
 偶然ながら、サッカー元日本代表FWの久保裕也選手が米プロサッカーリーグMLSのFCシンシナティへ移籍することが最近決まっている。久保も秋山と同じく3年契約を結んだと報じられており、シンシナティ在住の日本人には朗報だ。

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