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MLBは選手の安全のために何もしていない。大物エージェント、スコット・ボラス氏がかみつく

2019/09/25

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Getty Images



 9月22日(日本時間23日)、シカゴで行われたセントルイス・カージナルズ対シカゴ・カブスの一戦は、カブスはダルビッシュ有投手、カージナルスはマイルズ・マイコラス投手が先発した。元NPB出身投手の投げ合いとなったこの試合中、カブスの主力選手であるクリス・ブライアント内野手が怪我のために急遽退場する出来事が起きた。
 
 3回裏カブスの攻撃において、1死一塁の場面で内野ゴロを打ったブライアントはダブルプレーを阻止するために一塁へ全力疾走。折り悪く雨のために濡れていた一塁ベース上で足を滑らせ、激しく転倒した。ブライアントは自力で立ち上がることが出来ず、トレーナーの肩を借りて退場した。
 
 ブライアントは翌日のMRI検査でグレード2(中等度)の足首捻挫と診断された。骨には異常はないと見られている。その日カブスは移動日で試合がなかった。
 
 2016年ナショナル・リーグのMVPに輝いたこともあるブライアントは今シーズンも膝の不調を抱えながらもここまで打率.282, 本塁打31本、打点77の好成績を残している。もしこのままブライアントのシーズンが終了するとなると、ワイルドカード枠争いに僅かながらも望みをつないでいるカブスにとって大きな痛手となる。
 
 このブライアントの怪我を人災であると声を上げたのが大物エージェントとして有名なスコット・ボラス氏だ。ブライアントをクライアントに抱えるボラス氏は、その日雨が降っていたのだから審判は選手の安全のためにベースをタオルで拭いておくべきだったと主張している。
 
 ボラス氏はさらに2017年8月にやはり氏のクライアントであるブライス・ハーパー(当時ワシントン・ナショナルズ)が同じような状況の濡れたベース上で足を滑らして怪我をしたことを指摘している。MLBは危険があることを知っていながらも、他の金儲けに繋がる事案を優先させるため、選手の安全について何の対策も講じてこなかったというのが氏の主張だ。

【次ページ】ボラス氏の発言要旨
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