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日本のアスリート史上屈指の股関節使い・イチロー

通常のスポーツ選手たち、ほとんどすべてのスポーツ選手の股関節は、ドタドタ、ドサドサとガッチリと固まって動きづらい状態になってしまっているのです。一方で、クリスティアーノ・ロナウドなど、ほんの一握りの世界のトップアスリートが絶好調のときだけは、まさにカミソリのような切れ味のいい股関節に仕上がっています。日本のアスリート史上屈指の股関節使いだったイチロー、さらにはMLBでも二刀流を実践する大谷翔平についての部分を、高岡英夫最新刊『キレッキレ股関節でパフォーマンスは上がる!』から一部抜粋で公開!(前編)

2019/06/10

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大谷翔平の股関節はまだまだ

 イチローの股関節脳の次元から語れば、同じメジャーリーグで活躍中の大谷翔平の股関節は、まだまだ開発ができていない状態です。逆に言えば、大谷には股関節の開発による伸び代が、まだたっぷりと残っているとも言えるでしょう。前著「肩甲骨本」でも紹介したように、大谷は肩甲骨の開発に関しては相当に進んでいる選手です。その肩甲骨に比べると、この股関節、そして股関節とつながっている骨盤骨の開発度は、まったく低い次元でしかありません。
 
 「大谷はあれほど足が速いのに?」と思うかもしれませんし、私自身も、野球専門のネットメディアである『ベースボールチャンネル』で、彼の足の速さを評価していました。しかし大谷の足の速さは、肩甲骨のおかげなのです。我々人類の脳には四足動物時代に作られた、肩甲骨が働くと同時に腸骨も働く「甲腸同調性」というメカニズムが備わっているからです。
 
 それをなぜ多くの選手が使えていないかと言うと、そのスイッチが入っていないからです。人間の脳と身体のスイッチは、テレビやエアコン、パソコンなどの電化製品のように、ポッと触れただけでオンになるようにはできていません。そのスイッチを入れるためには、どうしてもトレーニングが必要で、その方法を紹介したのが「肩甲骨本」でした。
 
 大谷はその肩甲骨が非常によく開発されている選手です。それによって腸骨が働くようになっていて、「甲腸連動」を起こすことで速く走ることができているのです。

後半に続く
 
 
[著者プロフィール]
高岡英夫(たかおか・ひでお)
運動科学者、高度能力学者、「ゆる」開発者。運動科学総合研究所所長、NPO法人日本ゆる協会理事長。東京大学卒業後、同大学院教育学研究科を修了。東大大学院時代に西洋科学と東洋哲学を統合した「運動科学」を創始し、人間の高度能力と身体意識の研究にたずさわる。オリンピック選手、企業経営者、芸術家などを指導しながら、年齢・性別を問わず幅広い人々の身体・脳機能を高める「ゆる体操」をはじめ「身体意識開発法」「総合呼吸法」「ゆるケアサイズ」など、多くの「YURUPRACTICE(ゆるプラクティス)」を開発。多くの人々に支持されている。
 


<書籍概要>
『キレッキレ股関節でパフォーマンスは上がる!』
定価:本体1700円+税
股関節を三次元に使いこなすことが、超一流選手への最短距離。最も鈍感な関節がフル稼働!トップアスリートは爆発力が違う。『股関節脳』理論に基づく「走る」「打つ」「投げる」「蹴る」の力を引き出す体操を紹介。
『キレッキレ股関節』がスポーツパフォーマンスにおいてどんな働きをするのか、科学的な観点を多彩に使って分析し、読者の皆さんに「なるほど」と興味深く納得していただきながら、自分が『キレッキレ股関節』になるための画期的なトレーニングの方法を順次お届けしていく一冊。

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