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日本のアスリート史上屈指の股関節使い・イチロー

通常のスポーツ選手たち、ほとんどすべてのスポーツ選手の股関節は、ドタドタ、ドサドサとガッチリと固まって動きづらい状態になってしまっているのです。一方で、クリスティアーノ・ロナウドなど、ほんの一握りの世界のトップアスリートが絶好調のときだけは、まさにカミソリのような切れ味のいい股関節に仕上がっています。日本のアスリート史上屈指の股関節使いだったイチロー、さらにはMLBでも二刀流を実践する大谷翔平についての部分を、高岡英夫最新刊『キレッキレ股関節でパフォーマンスは上がる!』から一部抜粋で公開!(前編)

2019/06/10

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全盛期イチローは股関節脳に優れていた

 世界のさまざまな種目のトップアスリート、たとえば、ジョージ・シスラーのメジャー歴代シーズン最多安打記録を更新した2004年前後のイチローなどは、日本が生んだアスリートの中では、本当に頂点ともいえる股関節使いができていました。
 
 私のような運動科学の専門家からすると、当時のイチローの動きは、股関節が動いているように見えました。つまり、ユニフォームを着ていても、服の上から彼の股関節の動きがわかるぐらい、股関節を鮮やかに使えていたことを覚えています。あのような小さな細い身体ながら、過酷なメジャーリーグの世界の中で長く、トップ選手として活躍し続けることができた要因のひとつが、この股関節の優秀さにあることは、間違いありません。
 
 とくにイチローはバッティングだけでなく、走塁や守備なども、超一流であったことを忘れてはいけません。体格、体力の面で、身体資源に恵まれていないにもかかわらず、首位打者、盗塁王、ゴールドグラブ賞などのタイトルを数多く取ることができたということは、必要に応じて使う身体の関節(さらには骨格)や筋肉のことを、メジャーリーグのどの選手よりも脳がわかっていた選手だったからに間違いありません。それに尽きると言ってもいいでしょう。
 
 その中でも、関節の中で一番重要な働きをしている股関節、また最も鈍感でもある股関節をキレッキレに使えるほどに股関節脳が優れていたのが、全盛期のイチローだったのです。

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