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ベテランの球審ほど誤審が多い ――ボストン大の研究が呼ぶ波紋

2019/04/09

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2018年は3万4000個以上の誤審

 2018年のメジャーリーグ公式戦では1試合平均14個、1イニング平均1.6個のボール・ストライク判定の誤審があった。シーズン全体では誤審の合計は3万4294個を数える。4月8日(日本時間9日)、ボストン大学の公式ホームページにそんな研究論文が掲載された。
 
 論文を発表したのは同大学のマーク・ウィリアム教授が率いた研究チームで、過去11年のMLBシーズンに投じられた約4万球が調査対象となった。
 
 論文はさらに興味深い解析を行っている。
 
・カウントが2ストライクになったときの誤審率(29%)はそれ以外のカウントのとき(15%)のほぼ倍になる。
 
・2018年シーズンで55試合が本来はボールの球がストライクと判定されて試合終了となった。
 
・ストライクゾーンの高目右側及び高目左側の両コーナーの誤審率(右側27%、左側 26.8%)は低目のとき(右側18.3%、左側14.3%)より大きくなる。
 
 とりわけ衝撃的とも言えるのは、メジャーリーグで数多くの経験を積んだベテラン球審がより正確な判定を下すわけではなく、むしろその反対であるとデータが示していることだろう。論文では審判員ごとのデータ分析も紹介している。それによると、トップ10審判員、ワースト10審判員について、それぞれの平均年齢、平均経験年数、及び誤審率を比較すると以下の通りになる。
 
・トップ10:33歳、2.7年、8.94%
 
・ワースト10:56.1歳、20.6年、10.88%
 
 経験豊富なベテラン球審がかえって若い経験の浅い球審より多くの間違った判定を下す傾向があることが明らかにされている。
 
 にもかかわらず、ベテラン審判員には権威があり、ポスト・シーズンの球審を任されるケースが多い。2018年を例にとると、上記トップ10審判員のうち誰1人としてワールドシリーズの球審を務めていない。代わりにワースト1位のテッド・バレット(54歳、20年、11.54%)とワースト2位のジョー・ウェスト(67歳、40年、11.43%)が選ばれているのだ。

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