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マチャドが超大型契約で合意したパドレス 過去の“過ち”を糧に再建スピードUPへ

2019/02/20

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選手の多くが30歳未満、マチャド加入で攻撃力&守備力向上は確実か

 今オフのフリーエージェント(FA)市場で最も注目度の高い選手の1人であるマニー・マチャド内野手が19日(日本時間20日)、サンディエゴ・パドレス内野手と10年総額3億ドル(約330億円)で契約に合意したとの報道があった。ニューヨーク・ヤンキースなど多くの球団が獲得の候補に挙がっていたが、争奪戦を制したのは昨季ナショナル・リーグ西地区最下位に沈んだチームだった。
 
 昨季のパドレスは66勝96敗で、当時マチャドが所属していた首位のロサンゼルス・ドジャースに25.5ゲーム差を離されて地区最下位(5位)。4位以下という順位は最近11年間で8度あるが勝率.407はその中でも最低だった。チーム打率はリーグ13位の.235、チーム防御率も同13位の4.40と散々なシーズンを送った。
 
 チームは長い間“再建中”となっていることから、30歳未満の若手選手中心のメンバーで構成されている。昨季チーム最多の26本塁打を放ったハンター・レンフロー外野手は27歳、最多打点のエリック・ホズマー内野手は29歳。2桁勝利を挙げた選手がいない投手陣は、最多タイとなる8勝をマークした先発ジョーイ・ルセッシ投手が25歳といった形だ。
 
 そんな中、現在26歳のマチャドと米国スポーツ選手FA選手史上最高額で契約に合意。これはチームにどんな影響をもたらすのだろうか。
 
 実は、パドレスには“前科”がある。2014年に2年連続地区3位となり上昇の気配を少しずつ見せていたチームは、その年のオフにジャスティン・アプトン外野手、マット・ケンプ外野手、クレイグ・キンブレル投手を筆頭に、多くの実績ある選手をトレードやFAで獲得する大補強を敢行。オフの話題をかっさらったが、蓋を開けてみれば2015年はチーム打率はリーグ最下位(.243)、防御率も同10位で74勝88敗(勝率.457)となり地区4位という無残な成績に終わった。
 
 今回、契約合意に至ったマチャドが抱えるプレッシャーも小さくはないだろうが、過去の過ちを少なくとも「糧」としたい球団側が抱えるプレッシャーはそれを上回る大きさになるであろうことは想像に難くない。通算175本塁打を誇るマチャドが本来の実力を発揮することができれば、攻撃力や守備力の向上は間違いない。パドレスが再建の道をどんなスピードで歩んでいくかは、メジャー全体を巻き込んで注目を浴びるかもしれない。

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