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アスレチックス1位のマーレイ、アメフト専念「最高のQBに」 米記者はNFL1巡目指名予想

2019/02/12

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アスレチックスからの契約金は返還へ

 昨年6月のMLBドラフトでオークランド・アスレチックスから1位指名(全体9位)を受けたカイラー・マーレイ(オクラホマ大学3年)が11日(日本時間12日)、自身のツイッターを更新し、今後アメフトに専念する意向を発表した。
 
 マーレイは野球選手としてはアスレチックスから1位指名を受け、大学アメフトではクオーターバック(QB)として2018年度の全米最優秀選手(ハイズマン・トロフィー)を受賞する活躍を見せた。MLBとNFLの両方のドラフトで同年に1位指名を受ける史上初の選手となる可能性が高く、その動向が注目されていた。
 
 マーレイが投稿したツイート全文は次の通り。
 
「これから私は自分自身の人生をかけて、全ての時間をNFLのクォーターバック選手になるために努力をします。フットボールは私の今までの人生の全ての局面において情熱を注いできたものです。私はフットボールとともに育ち、そして私自身の100%を最高のクォーターバック選手になり、NFLでチャンピオンになるために捧げることをとても楽しみにしています。私は今後行われるNFLのワークアウトとインタビューに備えるための特別なトレーニングを既に開始しています。私は NFLの意思決定者たちに対して、私がこのドラフトで有力なクォーターバックであることを証明する機会を切望しています」
 
 マーレイのツイートには野球について全く触れられていないが、この選択によってマーレイは野球選手になることを断念し、アスレチックスから得た契約金466万ドル(約5億円)は返還することになる。
 
 米スポーツ専門局『ESPN』のジェフ・パッサン記者によれば、マーレイは既に受け取り済みの150万ドル(約1億6000万円)のうちの86%にあたる129万ドル(約1億4000万円)をアスレチックスに返却し、残金の316万ドル(約3億4000万円)の権利は3月1日(同2日)までに放棄するということだ。
 
 アスレチックスはマーレイのプロ野球選手としての拘束権利は保持したままだが、来年度ドラフトの補償指名権はない。
 
 MLBのドラフト選手が一律マイナー契約になるのに対し、NFLではドラフト1位選手は初年度から複数年契約を結ぶケースが多い。そのため、マーレイを引き留めるためにMLBが現行ルールを変えてメジャー契約を容認する可能性さえ示唆されていた。その是非はともかく、史上稀とも言える才能を持つアスリートの獲得に失敗したことは、当事者のアスレチックスだけではなく、MLB全体にとっても大きな打撃となった。
 
 米メディアが各NFLチームのドラフト指名選手を予想する『Mock Draft』では、多くの記者がマーレイの1巡目指名を予想している。そのNFLドラフトは4月25日(同26日)に行われるが、それに先立ち、2月26日(27日)にはNFLのドラフト候補生が一堂に会して運動能力テストを受けるNFLスカウティング・コンバインがインディアナポリスで行われる。マーレイがツイート内で触れた彼のクォーターバックとしての能力をNFL関係者に証明する機会とはこのスカウティング・コンバインを指していると思われる。