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再びPS不振のカーショウ、ド軍世界一に導けず 防御率悪化は“あのナックルボーラ―”に次ぐ数字

2018/10/30

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サイ・ヤング賞3度、オールスター選出7度の“現世代最強左腕”も…

 ロサンゼルス・ドジャースは28日(日本時間29日)、本拠地ドジャー・スタジアムで行われたボストン・レッドソックスとのワールドシリーズ第5戦に1-5で敗れた。シリーズ成績は1勝4敗となり、2年連続でワールドシリーズにおいて本拠地で相手チームに優勝を譲る結果となった。
 
 ドジャースのワールドシリーズ敗退の原因の一つに、エース左腕であるクレイトン・カーショウ投手の不調が挙げられる。カーショウはシリーズ第1戦と第5戦に先発登板したが、第1戦は4回5失点、第2戦は7回4失点と振るわず、両試合で敗戦投手となった。
 
 現世代最強投手の1人されるカーショウについては、これまでもポストシーズンでの低調ぶりが話題になってきた。今季でメジャー11年目のカーショウは、レギュラーシーズンでは通算2096回1/3を投げて153勝69敗、防御率2.39の圧倒的な成績を残している。2014年にはナ・リーグ最優秀選手(MVP)に輝き、サイ・ヤング賞を3度受賞し、オールスターにも7度選出。ところが、そのカーショウの成績はポストシーズンになると、通算152回を投げて9勝10敗、防御率は4.32と大幅に下がってしまう。
 
 スポーツ専門局『ESPN』によると、レギュラーシーズンで2000回以上、ポストシーズンで50回以上投げた歴代投手のうち、レギュラーシーズンとポストシーズンで防御率がカーショウ以上に悪化するのは、元レッドソックスのナックルボーラー、ティム・ウェイクフィールド氏(レギュラーシーズン防御率4.41、ポストシーズン防御率6.75)しかいない。
 
 さらに、ポストシーズンでのカーショウの成績をシリーズ別に分けると、以下のようになる。
 
地区シリーズ:     7回出場、5勝3敗、防御率3.72
リーグ優勝決定シリーズ:6回出場、3勝5敗、防御率4.61
ワールドシリーズ:   2回出場、1勝2敗、防御率5.40
 
 シリーズが進むにつれ、成績が悪くなってしまっているのがわかる。カーショウが大舞台に弱い投手という評価が定着してしまうことは避けられまい。
 
 デビュー以来、ドジャース一筋でエースとして君臨してきたカーショウは、今季オフにはドジャーズとの現契約を破棄して、フリーエージェント(FA)になる資格がある。レッドソックスとの第7戦がカーショウのドジャースでの最後の登板になる可能性は高い。しかし、カーショウ自身は試合後のインタビューで「現在は何も決めておらず、これからの3日間でドジャースを去るかどうかの決断をする」と語っている。
 
 現在30歳になるカーショウの現契約は今後2年間の年俸を合わせて6500万ドル(約73億円)。カーショウの去就が今オフのFA市場における最大の話題の一つになることは間違いないが、ポストシーズンでの成績がどのように影響するかも注目される。