大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



Home » ニュース » MLB30球団、今季“コスパ”最高のチームを算出 資金力が戦力に与える影響とは

MLB30球団、今季“コスパ”最高のチームを算出 資金力が戦力に与える影響とは

2018/10/05

text By

photo

Getty Images



 MLBの今季レギュラーシーズンが終了した。100勝以上をマークした3球団に対し、100敗以上を喫した球団は3つ。近年同様に上位チームと下位チームの二極化が目立ち、その原因は球団の資金力の差とも指摘される。資金力はどれほど戦力に影響を及ぼすのか。年俸総額と成績から今季のMLB球団の「コストパフォーマンス(費用対効果)」を考える。
 
 今季100勝以上挙げたのは、ボストン・レッドソックス、ニューヨーク・ヤンキース、ヒューストン・アストロズ。100敗以上を喫したのは、ボルティモア・オリオールズ、シカゴ・ホワイトソックス、カンザスシティ・ロイヤルズだ。首位と最下位の差が最も大きかったアメリカン・リーグ東地区は、レッドソックスとオリオールズに61ゲーム差があった。
 
 スポーツ関連調査会社大手「Spotrac」によると、2018年のメジャー30球団の年俸総額トップはレッドソックスの約251億円。最低額のタンパベイ・レイズは約75億円となっている。
 
 最高額のレッドソックスは今季30球団最多の108勝を稼いだ。一方、レイズは90勝72敗で勝率は5割を超えている。両チームの年俸総額をそれぞれの勝利数で割ると、レッドソックスは1勝当たり約2億3千万円、レイズは1勝当たり約8千万円を費やした計算になる。
 
 コストパフォーマンスという言葉が相応しいかはともかく、少なくとも選手に払った年俸(費用)に対しての勝利数(効果)は、レイズがレッドソックスを圧倒的に上回ったと言える。
 
 「年俸総額/勝利数」の計算式を全30球団に当てはめると、ベスト3、ワースト3は以下のようになる。カッコ内は全30球団年俸総額順位、年俸総額、今季勝利数。
 
【ベスト3】
タンパベイ・レイズ  1勝当たり約8千万円(30位、約75億円、90勝)
オークランド・アスレチックス  1勝当たり約9千万円(28位、約88億円、97勝)
ピッツバーグ・パイレーツ  1勝当たり約1億2千万円(27位、約100億円、82勝)
 
【ワースト3】
サンフランシスコ・ジャイアンツ  1勝当たり約3億1千万円(2位、約206億円、73勝)
ボルティモア・オリオールズ  1勝当たり約3億円(20位、約128億円、47勝)
カンザスシティ・ロイヤルズ  1勝当たり約2億5千万円(19位、約130億円、58勝)
 
 こうしてみると、大金を使えば即チームの成績が良くなるというわけでもないようだ。資金力が乏しいチームにも好成績を挙げる道は残されている。レイズや、シーズン前の予想を大きく覆してア・リーグのワイルドカードまで進出したアスレチックスがその好例になるだろう。
 
角谷剛