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故障者続出のエンゼルス、万能野手がメジャー初昇格 生粋の“地元っ子”に現地紙も歓迎ムード

2018/06/15

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 6月に入ってからロサンゼルス・エンゼルスの選手が目まぐるしく入れ替わっている。アンドレルトン・シモンズ内野手、大谷翔平投手、ケイレブ・カワート内野手、ジェフリー・マルテ内野内野手が続々と故障者リスト(DL)入り。代わりに初昇格を果たしたのは、キューバ出身内野手ホセ・フェルナンデス、デビッド・フレッチャー内野手だ。
 
 フレッチャーはエンゼルスの本拠地アナハイムに隣接するオレンジ郡オレンジ市生まれ。地元の公立高からロサンゼルスにある私立大に進んだ生粋の地元っ子である。2015年にエンゼルスからドラフト6位(全体195位)指名を受け入団した。指名順位でわかるように入団当初はさほど期待された選手ではなかったが、3年間をかけてルーキーリーグ、1A, 1A+, 2A, 3Aとマイナーリーグの階層を順調に登ってきた。2018年は3Aで迎え、メジャー昇格直前までの58試合で打率.350, OPS.953とリーグ屈指の成績を残している。
 
 フレッチャーは昇格翌日の6月13日(同14日)に敵地で行われたシアトル・マリナーズ戦に「9番・三塁」でメジャーデビューを果たすと、2点適時三塁打を含む4打数3安打2打点の大活躍を見せた。
 
 米公式サイト『MLB.com」によると、メジャー昇格を果たしたフレッチャーは「今週は僕ら一家に取って特別な週になった」と語っている。アーカンソー大の野球選手であるフレッチャーの弟ドミニックは、6月16日から開催される全米大会(カレッジワールドシリーズ)決勝トーナメントへの出場が決まっており、「弟におめでとうってテキストしたのだけど、弟からも同じ文言のテキストが昨日届いたんだよ」と明かしている。
 
 本来の守備位置は二塁のフレッチャーだが、一足先に昇格したフェルナンデス同様、内野の守備はどこでもこなせるユーティリティー・プレイヤーでもある。フェルナンデスは左打ち、フレッチャーは右打ちのため、エンゼルスは相手先発投手が右投げならフェルナンデス、左投げならフレッチャーを先発させると見られている。
 
 メジャーリーグ全体で年々選手の多国籍化が進んでいるが、エンゼルスもその例外ではなく、現ロースター25人のうち8人が外国生まれである。地元オレンジ郡有力紙の『OC レジスター』など地元メディアはフレッチャーがエンゼルスの地元で生まれ育ったことを強調して歓迎ムードを盛り上げている。
 
 エンゼルスはこの次もオークランドで対アスレチックス3連戦と遠征が続く。18日(日本時間19日)からの本拠地シリーズではフレッチャーに大きな歓声が与えられることだろう。
 
 
文・角谷剛