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「打者・大谷」進化と苦悩の5月15安打。“ゾーン”で見える外角攻略…終盤は課題鮮明に

2018/06/06

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3.4月とは対照的なゾーン分布。外角の強さ発揮

 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が迎えた「打者」としての2カ月目。チームが14勝15敗とイマイチ調子上がらない中、近年メジャーで強打者が座る傾向にある2番や中軸の4番~6番を任されるなど、大谷に対する期待は打順にも表れていた。そして、安打数は4月と同じく15本だったが、捉えた“ゾーン”は前月とは対照的なものになった。
 
 大谷は、4月までは内角の球を多く捉え安打にしていた。その15本中8本が内角の高めから低めまでを万遍なく対応していたが、5月はその傾向が一変する。1日(日本時間2日)のタンパベイ・レイズ戦でアレックス・カッブ投手のカーブを叩いてレフト方向への二塁打にした初安打をはじめ、外角の球を次々に攻略し安打としていったのだ。
 
 5月は、初安打から9安打目まで真ん中から外の球を安打にしている。単打から二塁打、本塁打までその距離も多彩で、打球方向もセンターから逆方向へのものが目立った。
 
 4日(同5日)のシアトル・マリナーズ戦では、先発のマイク・リーク投手から第2打席に無死一塁の場面でカウント0-2と追い込まれながらやや高めの88.9マイル(約143キロ)のカットボールを捉えて中前安打とすると、第3打席には同じくリークから今度は低めの82.1マイル(約132キロ)のチェンジアップを弾き返してのレフト方向へのタイムリー二塁打。
 
 10日(同11日)のミネソタ・ツインズ戦では外角の球を広角に打ち分ける。第2打席で先発のホセ・べリオス投手の84.8マイル(約136キロ)のチェンジアップをライト方向へのタイムリー二塁打とすると、第4打席はリリーフのトレバー・ヒルデンバーガー投手が投じた初球の90.8マイル(約146キロ)のシンカーをセンターへソロ本塁打にして見せた。

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