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「大谷方式」との違いは? 二刀流マッケイ、さらなる大革命へ“実験”が着々進行中

2018/05/10

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 タンパベイ・レイズ傘下1Aボウリング・グリーン・ホット・ロッズに所属する投打二刀流選手ブレンダン・マッケイが順調に成績を伸ばしている。
 
 2017年度ドラフトでレイズから1位指名(全体4位)で入団したマッケイは今季がプロ選手として初めてのフルシーズン参戦。ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手がシーズン前の予想を大幅に上回る大活躍を見せたこともあって、メディアがマッケイを紹介する際に「次の大谷翔平」と呼ぶことが多くなった。
 
 レイズは二刀流選手をシーズンを通して起用するこの初めての試みを「実験」と呼び、マイナー組織を挙げてマッケイを後押ししている。開幕後1カ月を過ぎて、後述するマッケイの試合出場パターンと大谷のそれとの違いが徐々に明らかになってきている。
 
1.マッケイは投手としては中4日で先発登板する(大谷は中6日)
2.マッケイは登板間隔の中間日に1試合休む(大谷は登板日前後両日の試合を休む)
3.マッケイは打者として出場する時は指名打者あるいは一塁を守る(大谷は指名打者あるいは代打出場で守備には就かない)
 
 両者の最も大きな違いは出場機会数に表れる。MLBのレギュラーシーズンは162試合。中6日の間隔だと最大で23~24試合、中4日では最大32~33試合に先発登板が計算上可能になる。同じく計算上では大谷方式では打者としての年間出場数は最大92~93試合、マッケイ式では最大97~98試合になる。
 
 ケガや疲労による欠場が無かったと仮定しての、あくまで計算上の数字であるが、出場機会が多くなれば投手としての勝利数や打者としての安打数などの個人成績には当然有利に働く。
 
 さらに、5月8日(日本時間9日)からのロサンゼルス・エンゼルス対コロラド・ロッキーズ3連戦のように、指名打者制のないナショナル・リーグとの交流戦では大谷は打者として代打あるいは代走での出場しか出来ないが、マッケイは一塁手としてフル出場も可能だ。
 
 5月9日(同10日)現在でのマッケイの成績は、投手としては5試合に登板し、18回2/3を投げて1勝0敗、防御率1.45、打者としては20試合に出場し打率.262、出塁率.483、OPS(出塁率+長打率).827である。投手としては1イニング平均して1.8個の三振を奪う圧倒的な力を見せているが、打者としては抜群の選球眼を発揮しているものの、ホームランは1本のみで持ち前の長打力は発揮できずにいる。
 
 マッケイの昇格がいつになるかは気になるところだが、米公式サイト内の『MLB Pipleline』ではポジション別若手有望株ランキングで第5位にランクしたほど期待度が高く、契約金も2012年以降最高額となる約7億8000万円だったことから将来必ずチームを代表する選手に育て上げたい選手。現時点でレイズはシーズン前の慎重な育成方針を崩していない。