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大谷の本拠地、アナハイムの光と陰。ホームレス村の強制撤去、華やかさに潜む米国の闇【現地ルポ】

大谷翔平がロサンゼルス・エンゼルスに移籍したことによって、米国観光がてらにMLB観戦を計画しているファンも多いだろう。一般的に、エンゼルスが居を構えるアナハイムは安全な土地と言われている。しかし、現実はどうなのだろうか? 現地在住記者がリポートする。(取材・文:角谷剛)

2018/01/27

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スタジアムに隣接するスラム地区

大谷翔平が所属するエンゼルスの本拠地アナハイム市は一般に「ロサンゼルス郊外」と呼ばれ、同市内にはディズニーランドもあることで有名だ。そのせいか、大谷がエンゼルスを選んだ理由として、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都会ではなく、のびのびとした環境を選んだと伝えられることがある。
 
だが、大谷本人の真意がどこにあるかは別にして、アナハイムがのんびりして牧歌的に安全な土地だとは必ずしも言い切れない部分もある。
 
メジャーリーグの本拠地球場はダウンタウンと呼ばれるそれぞれの街の中心部にあることが多く、そのような場所は程度の差はあれ治安や交通事情が極端に悪くなるなどの都市問題を抱えている。誤解を恐れずに言えば、「危なそう」な雰囲気の立地条件なのだ。
 
例えば有名なヤンキー・スタジアムがあるブロンクスにしても、球場付近はともかくとして、その前後の地下鉄の駅に間違って降りてしまったとしたら、歩き回るにはかなりの勇気を要する街だと言える。
 
サンディエゴは西海岸の風光明媚な土地として知られてはいるが、高速道路からパドレスの本拠地ペトコ・パークまでの間はスラム地区と化していて、主にホームレスの間でA型肝炎が集団発生したのはつい昨年のことだ。都市部の荒廃はアメリカ社会の病理とも言える現象ではあるが、エンゼル・スタジアムがあるアナハイムもその例外ではないのだ。

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