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ドジャース×大谷翔平が迎える試金石と試練の「バースデー登板」…対戦相手は大谷が“顔も見たくない”天敵【コラム】

2025/07/05

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Getty Images



OhtaniShohei 、Framber Valdez

大谷翔平 最新情報

 ロサンゼルス・ドジャースは好調を維持し、ヒューストン・アストロズとの3連戦に臨む。注目は、31歳の誕生日を迎える大谷翔平。苦手としているフラムバー・バルデスとの対戦を控えているが、投手・打者双方で真価が問われる試練の一戦となりそうだ。(文・八木遊)

 
 ロサンゼルス・ドジャースがシカゴ・ホワイトソックスをスイープし、連勝を4に伸ばした。直近10試合の成績を9勝1敗として、2位のサンディエゴ・パドレスとは9ゲーム差。オールスターブレイクを前に、早くも独走態勢に入ろうとしている。
 
 ドジャースは現地時間4日から、アストロズとの3連戦を迎える。アストロズも直近10試合で8勝2敗と調子を上げており、侮れない相手といえるだろう。ワールドシリーズ前哨戦となる可能性もあるカードだけに、お互いに負けられない戦いとなりそうだ。
 
 両者のここまでの戦いぶりを見て見ると、今季のドジャースは勝率5割超えのチームに対して20勝19敗といまひとつ。ほとんどの貯金を5割以下のチームからつくっている。それに対して、アストロズは勝率5割超えのチーム相手に29勝21敗。“強敵”相手に8つの貯金をつくっているのは、他にレイズしかいない。まさにアストロズは、横綱同士の対決で力を発揮するタイプのチームといえるだろう。
 

“バースデー登板”は試練となるかもしれない

 
 この3連戦で注目されるのが、2戦目に先発登板が予定されている大谷翔平だろう。投手復帰してまだ3週間たらずの大谷。球数制限もあり、3試合で4イニング計73球に留まっている。しかし、前回登板でメジャー自己最速となる101.7マイル(約163.6キロ)をマークするなど、二刀流の完全復活に徐々に近づいていることは間違いない。
 
 ただし、大谷にとって31歳の“バースデー登板”は試練となるかもしれない。
 
 というのも、投げ合いが予想される相手投手がフラムバー・バルデスだからだ。大谷と同じ2018年にメジャーでデビューを果たした技巧派左腕は、昨季まで4年連続で2桁勝利を挙げているアストロズのエース。大谷にとっては、ライバルであり因縁の相手でもある。
 
 ロサンゼルス・エンゼルス時代は同じ地区に所属していたこともあり、打者・大谷がこれまで最も多く対戦した投手が他でもないこのバルデスだ。その通算成績は、36打数5安打(打率.139)、1本塁打、2打点。バルデスがほぼ完璧に大谷を打ち取っている。
 
 さらに、大谷は投手としてもバルデスとの相性は最悪。過去に2人が投げ合ったのは5試合あり、うち4試合が先発同士の対決だったが、バルデスが4勝0敗、防御率1.36とエンゼルス打線を抑え込んでいるのに対し、投手・大谷は0勝4敗、防御率6.35。アストロズ打線に打ち込まれており、大谷にとってバルデスは“顔も見たくない”選手といえるかもしれない。
 
 ドジャースに移籍後、初めて投手としてバルデスと対戦する大谷。今季4度目の登板で、天敵相手にどんな投球と打撃を見せてくれるか。ドジャースだけでなく、大谷にとっても試金石の一戦、そしてチームにとっても重要な3連戦となりそうだ。
 

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