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【MLB】前田健太の後半戦に不安。日本人投手の1年目は失速の傾向あり

ドジャースの前田健太は後半戦初戦で7敗目を喫した。ここまでの投球内容と過去の日本人投手の1年目と比較してみた。

2016/07/19

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際立つ野茂英雄の1年目

 ドジャースの前田健太が、後半戦のスタートで躓いた。7月17日のダイヤモンドバックス戦に登板した前田は、初回に3点、3回と5回に1点ずつを失い、5イニングを投げ終えられずにマウンドを降りた。前半戦の18登板は、5イニング未満の降板こそ2度あったものの、すべて4失点以内だった。試合はドジャースが5対6で敗れ、前田は7敗目を喫した。

 それでも、シーズン全体では108.0イニングを投げ、8勝7敗、防御率3.25。ここまでの前田の成績は、日本人投手のデビューイヤーのなかでも、かなり上位にランクインするペースだ。

 日本人投手のデビューイヤー最多イニングと最多勝は、それぞれ、松坂大輔(レッドソックス)とダルビッシュ有(レンジャーズ)が記録している。松坂は2007年に204.2イニングを投げた。ダルビッシュは2012年に16勝を挙げ、松坂の15勝を上回った。

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 前田の場合、200イニングは無理にしても、2014年の田中将大(ヤンキース)のような長期離脱さえなければ、デビューイヤーに規定投球回をクリアした6人目の日本人投手になるだろう。

 勝ち星に関しては、打線の援護やリリーバーの出来など、自らコントロールできない要素が大きいため、その投手自身を評価するには適していないが、前田はすでに2ケタ勝利まで2勝としている。自身の投球と他の要素がうまく噛み合えば、松坂とダルビッシュに続く、デビューイヤーの15勝以上もあり得る。

 防御率のベストは、1995年に野茂英雄(ドジャース)が記録した2.54だ(防御率も自分以外の要素は絡むものの、勝ち星と比べればその割合は低い)。この数値はハードルが高く、野茂自身のキャリアベストであるのみならず、日本人投手のシーズン防御率のなかでも最も優れている(規定投球回以上の延べ30人中)。

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