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【MLB】マリナーズ、岩隈と再契約に至った理由。元GM特別補佐「身体検査は白黒はっきりしているものではない」

米野球WEBサイトの「ファン・グラフ」にて、マリナーズ元GM特別補佐のトニー・ブレンジーノ氏が岩隈の身体検査に関して寄稿している。

2015/12/25

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3年目の保証に明確な線引きをしたマリナーズ

 ブレンジーノ氏がマリナーズ時代に集大成として取り掛かったのが岩隈への契約延長の金額設定だった。結果的に、2年1300万ドルで合意に至り、2015年も700万ドルのオプション付きというものだった。
 
 やがて岩隈はバーゲン・プライス(バーゲンで見つけたお買い得な値段というたとえ)で2015年まで投球を続け、ついに格安での慰留は難しい状況となった。
 FA市場に出れば、ブレンジーノ氏は年間1500万ドル程度で3年目を提示することができる球団に入団することを予想し、現にロサンゼルス・ドジャースが3年契約を提示したことで合意したと思われた。
 
 マリナーズは岩隈を高く評価していたが、3年目を保証するということに対しては明確に線引きをした。
 高額な年俸を提示することは簡単だったかもしれない。
 しかし、岩隈の体を熟知しているからこそ、自分たちが引いた線を超えることはしなかったのだろう、とブレンジーノ氏は推測する。
 
 マリナーズはリスク承知で補強を進めていった。
 リリーフ投手のカーソン・スミスを放出し、年俸を考えると十分お買い得とも言えるウェイド・マイリーを岩隈の代わりとして獲得した。さらに総年俸を減らし、今後のFA市場行方次第で柔軟に対応できるよう、マーク・トランボをトレードで放出し、実力では劣らないアダム・リンドをより安く獲得した。
 
 ちょうどその頃、ドジャースが身体検査の結果により岩隈獲得を再考しているという情報が流れた。

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