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【MLB】マリナーズ、岩隈と再契約に至った理由。元GM特別補佐「身体検査は白黒はっきりしているものではない」

米野球WEBサイトの「ファン・グラフ」にて、マリナーズ元GM特別補佐のトニー・ブレンジーノ氏が岩隈の身体検査に関して寄稿している。

2015/12/25

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長期的なプランでコストを抑え、岩隈を先発へ

 2008年シアトル・マリナーズにザック・ズレンチックGMとともに、ミルウォーキー・ブリュワーズから移り、2013年までGM特別補佐を務めていたトニー・ブレンジーノ氏が、統計データや分析記事を提供している、米野球のウェブサイト「ファン・グラフ」へ『岩隈ファイル』と題した記事を寄稿した。
 
 今年ジェリー・ディポートがシアトル・マリナーズのGMに就任以降、数多くの補強を敢行してきたのは周知のことだ。
 
 その中でもカーブのようなうねりでやってきたのは、岩隈久志の補強だ。
 ロサンゼルス・ドジャースとの交渉が身体検査の結果により合意とならず、マリナーズにとっては再び獲得のチャンスが巡ってきた。
 すでに大半の補強を終えたと考えられていたシアトル・マリナーズにとって、岩隈というクリスマスプレゼントがやってきたと、チームの喜びをブレンジーノ氏はこう表現で例えた。
 
 ブレンジーノ氏もマリナーズのフロントの一員であった2012年シーズン前に150万ドルの1年契約(340万ドルのインセンティブ付き)で岩隈久志と合意した。
 
 1年目マリナーズは、岩隈の状態を慎重に見極めていった。
 キャンプ中に行われた数回の投球練習では、また肩が仕上がっておらず、メジャーリーグの過酷なスケジュールを乗り越えるのが難しいのではという理由だった。
 そしてトレーニングスタッフと目的に合わせたプランを作成し、数週間は打者に投げない期間が続いた。
 
 開幕後はなかなか登板機会がなく、開幕メンバー25人の中では最後に試合に出場機会を得たぐらいだ。そして初先発はシーズンも3カ月ほど過ぎた7月上旬に訪れ、5度目の先発では13奪三振の好投を見せるなどチャンスをモノにしていった。

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