大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



Home » ニュース » 済美・山口直哉、エースが見せた完投へのこだわり。延長13回、球数184球も「マウンドは譲らない」【全国高校野球】

済美・山口直哉、エースが見せた完投へのこだわり。延長13回、球数184球も「マウンドは譲らない」【全国高校野球】

2018/08/12

text By

photo

Kana Yamagishi



<第8日 第3試合 2回戦 済美13x―11星稜>
 
 延長13回、試合時間は2時間57分に及んだ。
 
 済美(愛媛)の先発・山口直哉(3年)は今大会2試合目のタイブレークまでもつれた試合を一人で投げぬいた。8回の打席で右ひざに死球を受け、延長に入っても続投。球数は184球に達した。
 
「マウンドは譲らない」
 
 これまで1試合で投げた最多の約160球を優に超えたが、甲子園の舞台で完投へのこだわりを見せた。
 
 立ち上がりやや緊張したという山口は、初回に5点を失った。「状態的に悪くなかったけど、ボールがいかなかった」と反省を口にした。
 
 その後も小刻みに得点を奪われ、済美は8回表を終えて6点を追う展開。しかし、その裏、済美打線は細かな継投策を使ってきた星稜投手とついにとらえ、9-7と逆転に成功した。だが、粘る星稜打線は9回に同点に追いついた。
 
 「追いつかれても逆転されないように」。山口はそう意識していたという。終盤に入ってもストレートは140キロ台をマークし、疲れや「少し痛かった」という死球の影響は見せなかった。
 
 山口は自らの投球を「70点」とし、序盤の失点が大きすぎたと評価した。試合は、サヨナラ満塁弾で劇的な幕切れ。その瞬間をベンチ内で迎え、試合が終わる安ど感で「気が抜けた」という。
 
 マウンド上でもほとんど表情を変えず、熱戦の後もポーカーフェイスを崩さない右腕。この日の投球は失点が多く、「70点」と評価。序盤の立ち上がりを課題に挙げ、184球を投げた後にも関わらず、「次は直したい」と語った。
 
取材・文 山岸佳奈