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関東勢が今夏の甲子園で苦戦? 大会5日目はまさかの3連敗……すでに4校が姿を消す【夏の甲子園2025】

2025/08/10 NEW

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阪神甲子園球場

高校野球 夏の甲子園 最新情報

 第107回全国高等学校野球選手権大会が開幕し、地方大会を勝ち抜いた全49代表校が全国の頂点を目指して激闘を繰り広げている。一方、近年は関東勢・近畿勢の上位進出が目立つ中、今夏の甲子園では大会5日目終了時点で、関東勢の4校が姿を消した。

 
 近年の甲子園では関東勢・近畿勢の上位進出が目立つ。2010年に興南(沖縄)が春夏連覇を達成した翌2011年以降の夏の甲子園、選抜甲子園の地区ごとの優勝回数は下記の通りだ。
 
 ・夏の甲子園(2011年以降):関東勢6回、近畿勢6回、東北勢1回
 
 ・選抜甲子園(2011年以降):関東勢6回、近畿勢6回、東海勢1回、北陸勢1回
 

 
 上記のような偏りを見せている近年の甲子園だが、今夏の甲子園では関東勢がすでに4校も敗退している。
 

大会5日目にまさかの”3連敗”

 
 今大会、関東勢として最初に登場したのは、初出場を果たした叡明(埼玉)だった。好投手・桑山晄太朗を擁する津田学園(三重)を相手に互角の戦いを見せ、試合は延長タイブレークに入り、12回までもつれた。しかし、先攻の叡明は延長12回表で痛恨の無得点。その裏、無死一、二塁から送りバントを処理した投手・田口遼平の悪送球もあり、4-5のサヨナラ負けを喫した。
 
 翌日の大会4日目には、優勝候補の横浜(神奈川)が敦賀気比(福井)と対戦。雨天で試合が中断する事態はあったが、磐石な戦いぶりを見せ、5-0で勝利した。
 
 そんな中で迎えた昨日の大会5日目は、関東勢が3校登場した。だが、この日は関東勢にとって苦しいものとなった。
 
 この日の第2試合では、明秀日立(茨城)が初出場の聖隷クリストファー(静岡)と対戦した。過去に選抜2回、夏1回の出場経験がある明秀日立は、いずれも初戦を突破していた。だが、今回は聖隷クリストファーの好投手・高部陸(2年)を打ち崩せず、1-5で敗れた。
 
 第3試合では、35年ぶりの夏出場となった青藍泰斗(栃木)が登場。佐賀北(佐賀)との対決となった同試合は序盤から点を取りあったが、中盤以降は両校ともに無得点が続き、延長タイブレークに入った。しかし、延長10回裏に1死満塁からスクイズを決められ、4-5のサヨナラ負けとなった。
 
 第4試合で登場した市船橋(千葉)は、序盤から明豊(大分)に得点を重ねられ、2-6で敗戦。この日、関東勢はまさかの3連敗となった。
 

明日以降登場の4校にも厳しい戦いが?

 
 一方、関東勢でまだ初戦を終えていないのは、日大三(西東京)、関東第一(東東京)、健大高崎(群馬)、山梨学院(山梨)。だが、いずれも厳しい戦いになる可能性がある。
 
 日大三は、大会6日目の第4試合で豊橋中央(愛知)と対戦する。相手は初出場とはいえ、愛工大名電、東邦といった甲子園常連校に競り勝ってきた高校だ。機動力もあるチームなだけに、油断大敵だ。
 

 
 大会7日目には、山梨学院が登場する。注目の菰田陽生(2年)を擁する山梨学院だが、相手の聖光学院(福島)は今春の選抜でも2勝を挙げているチーム。好ゲームとなりそうだ。
 
 大会8日目には、健大高崎、関東第一が登場する。第1試合に登場する健大高崎は、昨夏の覇者・京都国際(京都)と相まみえる。石垣元気(3年)、佐藤龍月(3年)などの好選手を揃える健大高崎とはいえ、苦しい戦いになることが想定される。
 
 第2試合では、関東第一が中越(新潟)と対戦するが、中越の雨木天空(3年)、石山愛輝(3年)の左右2枚看板は強力だ。関東第一は、持ち前の機動力でプレッシャーをかけていきたいところだ。
 
 初戦すべて終えた時、関東勢は果たして何校残っているのだろうか。目が離せない日々が続く。

 

 
【了】



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