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日本一は“再現性のない夏” 仙台育英・須江航監督が掲げる「2回目の初優勝」の真意

2022/12/19

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産経新聞社



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 第104回全国高等学校野球選手権大会で、東北勢初の日本一を達成した仙台育英高校。新チームも来春の選抜甲子園出場をほぼ確実に。同校を率いる須江航監督の手腕にも、大きな注目が集まる。本記事では、12月2日に発売となった『仙台育英 日本一からの招待』(須江航・著)から内容を一部抜粋して公開する。

 

 

新チームの目標は「2回目の初優勝」

 再現性のない夏──。
 全国制覇を果たした2022年夏を、一言で総括した言葉です。
  
 もう二度と、同じやり方で頂点を取ることはできません。チームの強みである守備と走塁を全面に押し出し、自分たちができることだけに集中した「身の丈に合った野球」で掴んだ頂点でした。甲子園の決勝戦であっても、気負うことも硬くなることもなく、試合前の円陣では「明日も試合がありそうだね」「宮城大会の初戦と同じ雰囲気だね」と話していたほどです。自然体で戦い抜いてくれました。
  
 しかし、「2回目」となると、自分たちの気持ちも、周囲の見る目も変わってくるもので、頂上の景色を見たからこその難しさも出てくるはずです。2022年と同じやり方でチームを作ろうとしたら、日本一から招かれることはおそらくないでしょう。
  
 新チームは9月1日に始動しました。決勝の翌日(8月23日)に学校に戻ってきましたが、選手のコンディションを考えて、あえて1週間の休みを設けました。
  
 初日のミーティングで、彼らに目標を伝えました。
「幸福度の高い運営をして、2回目の初優勝を目指す」
 

  
 夏の甲子園で活躍した山田脩也、齋藤陽、髙橋煌稀、尾形樹人ら、主力の2年生が残ったこともあり、周囲の方々から「夏春連覇」「夏2連覇」を期待していただく声が多く聞こえてきます。期待されるのは幸せなことですが、人生も野球もそんなに甘いものではないことは、よくわかっています。どれだけ多くの経験者が残ったとしても、選手がひとりでも入れ替われば、まったく別のチームになるのが高校野球の難しいところです。

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