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仙台育英監督は“大阪桐蔭マニア”!? 敵将から得た学び「全員を出場させることはできないが…」

2022/12/18

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産経新聞社



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 第104回全国高等学校野球選手権大会で、東北勢初の日本一を達成した仙台育英高校。新チームも来春の選抜甲子園出場をほぼ確実に。同校を率いる須江航監督の手腕にも、大きな注目が集まる。本記事では、12月2日に発売となった『仙台育英 日本一からの招待』(須江航・著)から内容を一部抜粋して公開する。

 

 

大阪桐蔭・西谷浩一監督からの“学び”

 監督に就任したばかりの2018年1月、高校野球のトップオブトップの空気を肌で感じるために、大阪桐蔭のグラウンドに伺いました。それまで、ほとんど面識のなかった西谷浩一監督に電話でお願いしたところ、快く受け入れてくださいました。さまざまなお話をさせていただく中で、もっとも印象に残ったのがこの考え方です。
 
「全員を出場させることはできないが、全員をうまくさせることはできる」
 
 たしかに、試合に出場できる人数には限りがありますが、さまざまな工夫を凝らすことによって、全員を上達させることはできます。自覚でき、練習に対する意識がより高まっていきやすい。「ベクトルを自分自身に向ける」といった考えのもと、能力の高い選手が本気で野球に打ち込む組織を作り上げていました。
 
 その場で、練習試合のお願いもして、夏の大会前の平日に実施できることになりました。2018年の大阪桐蔭と言えば、根尾昂選手(中日)や藤原恭大選手(ロッテ)らを擁して、のちに春夏連覇を成し遂げる最強世代です。結果から書くと、練習試合は2試合ともに敗れましたが、高校トップクラスのスピードやパワーを目の当たりにして、「このレベルまで引き上げなければ日本一は見えてこない」と体感することができました。
 
 あの年以来、私は、「打倒・大阪桐蔭。大阪桐蔭に勝てるチームを作り上げることが、日本一に近付く」と、選手たちに言い続けています。
 

  
 西谷監督には申し訳ないですが、「仮想敵」をリアルにイメージすることによって、チームが進むべき道をより鮮明に描くことができます。私は、「大阪桐蔭マニア」と言ってもいいぐらい、毎年のように大阪桐蔭の戦力を分析していて、「仙台育英が勝つにはどんな戦いが必要か」を日々熟考しています。

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