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【MLB】田中、高い中4日の壁――次戦は中6日登板、現実的な選択を下したヤンキース首脳陣

ヤンキース・田中将大は、21日のインディアンス戦で「中3.5日」の登板。低調な内容で6敗目を喫した。首脳陣は次回登板は、中6日となる28日のブレーブス戦と、決断を下した。

2015/08/23

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中5日以上で好成績を残している田中

 ヤンキースは田中だけでなく、DL明けとなるピネダ、昨年右膝を手術したC・C・サバシア、トミー・ジョン手術明けのイバン・ノバら、健康面でリスクを持った先発投手を多数抱える。

 指揮官は、ピネダの復帰後はしばらくの間、先発投手6人制を導入する方針も明かした。田中の中4日は当面はなく、今後も中5日以上の登板間隔が確保される。

 田中自身も、中5日での登板について「登板間隔が空くことによって、やっぱり一番は体の回復に時間を使える部分が大きいですね。それだけでも1日多い分プラスアルファというのが必ずありますし、自分がこうしたいああしたいというところも取り組めます」と公式HPで語っている。

 米球界では、エース投手は中4日の登板間隔でまわって当然、という考え方が強い。田中は2200万ドル(約27億円)もの年俸をもらっており、その額は主に中4日で1年間ローテーションを守り、年間32試合前後に先発する、という想定の下に成り立ったものだ。
 一部米メディアでは、中5日以上での登板が続く右腕に、批難の声が挙がることもある。

 ただ、ヤンキース首脳陣は勝つために、より現実的な手段を選択したと言えるだろう。中5日で使い続ければ、田中も、他の投手もパフォーマンスをより発揮できると判断した。

 この勝負所で田中の右肘が悲鳴をあげることこそ、最悪のシナリオだ。タイトな登板間隔が響き、仮に今、トミー・ジョン手術が必要となってしまえば、今季だけでなく来季まで絶望となってしまう。

 インディアンス戦では中盤以降ずるずると失点を重ねた。試合の中での修正ができず「自分でわかっていてもできないというのは、自分の技術不足だと思います。これからもできるようにやるしかないので、根気強く繰り返しやっていきます」と公式HP上で反省した田中。

 次戦へ向けては「気持ちを切り替えて、次に向かっていきます」と結んでいる。右肘への負担は可能な限り排除し、力の限り腕を振って目の前の打者にフォーカスしていく。

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