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イチロー、来季メジャー通算3000本安打への青写真 カギはイエリッチ

イエリッチ故障後、先発出場を続けるイチロー。着実にヒットを積み重ね、チームの勝利に貢献している。そのイエリッチがまもなく復帰予定と言われている。メジャー通算3000本安打に向かって、今後は再び開幕当初の状況下でいかに成績を残せるか。それが来季達成が見込まれる偉業へのカギとなる。

2015/05/04

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チームの成績とともに気になるイチローの安打数

 メジャー通算3000安打という偉大なマイルストーンは、ぼやけていた輪郭が少しずつ色濃くなってきた。マーリンズのイチロー本人も、達成へ意欲を隠さない偉業。メジャーの世界においても歴代28人しかおらず、「3000 Hit Club」と呼ばれる文字通りの聖域だ。

 と言っても、それは今季中の話ではない。あくまでも来年の話。ただ、3000安打到達への最大のカギは、今季が握っている。

 イチローは3日までで、メジャー通算2862安打。節目到達までは、あと「138」安打。マーリンズは25試合を消化し、今季の残りはあと「137」試合。1試合1安打していけば、ほぼ到達する計算にはなる。

 ここまで12試合連続先発出場中だが、軽度の腰の椎間板ヘルニアで離脱していた正左翼手クリスチャン・イエリッチの復帰が間近。将来を嘱望される23歳が戻れば、再び控えに回らざるを得ない。

 どれだけイチローが好調でも、イエリッチの育成のために、彼を多く打席に立たせなければならない。ファンにしてみれば不条理に感じるかもしれないが、この辺の事情は誰よりもイチローが重々承知しているだろう。

 41歳のイチローにとって、この限られた出場機会で、いかに3000安打に近づけられるかが、偉業達成を左右するわけだ。

 現実的な数字で考えれば、少なくともあと「50」安打以内にはしておきたい。そのためには今季、最低でもあと「88」安打は積み上げなければならない。

 来年10月には43歳となるイチローが、来季メジャー契約を勝ち取るのは至難の業だ。実現するためには、そのシーズン中に3000安打達成という歴史的瞬間が訪れるのは、まず確実という状況を整えてやらなければならない。そのためのギリギリのラインが、あと「50」安打というわけだ。

 チームにしてみれば、イエリッチが1日も早くトップパフォーマンスを取り戻してくれることがベストではある。そして、イチローの出場機会と安打数は、このイエリッチの状態と大きくリンクしてくる。

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