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イチロー、来季メジャー通算3000本安打への青写真 カギはイエリッチ

イエリッチ故障後、先発出場を続けるイチロー。着実にヒットを積み重ね、チームの勝利に貢献している。そのイエリッチがまもなく復帰予定と言われている。メジャー通算3000本安打に向かって、今後は再び開幕当初の状況下でいかに成績を残せるか。それが来季達成が見込まれる偉業へのカギとなる。

2015/05/04

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イエリッチ復帰後の成績が来季に影響

 実は、腰はイエリッチにとって昨年も痛めた古傷。昨季はDL入りで6月中旬に戦線離脱したことが響き、年間144試合の出場にとどまった。当然復帰したとしても、状態を常に注視しながらの起用になる。

 3日から傘下1Aでリハビリ出場を始める予定で、イエリッチ本人は「3試合ほど調整して、サンフランシスコ遠征からは合流したい」と7日のジャイアンツ戦からの復帰へ意気込んでいる。腰は疲労の影響が出やすい箇所だけに、復帰を焦れば再び患部が悲鳴を上げる可能性もある。

 そこで、イエリッチには定期的に休養を取らせるなど、イチローとの併用が現実的な案となってくる。打席が限られる代打や代走、守備固めではなく、週に1試合でも定期的にスタメンのチャンスがあれば、安打数を伸ばしていくことも可能だろう。その中で、最低ラインとなるあと「88」安打をマークすることができるか。

 逆に、今季中に3000安打への射程圏内に入れなかった場合、マイルストーンの輪郭はとたんにぼやけてくる。大記録到達間近という「お土産」を持たない42歳と、メジャー契約を結ぼうという球団が現れるかどうかは不透明。一気に暗礁に乗り上げ、到達が絶望的な状況に追い込まれても、不思議ではない。

 現役にしがみつき、毎年コツコツ積み上げる、というのは現実的な話ではない。その場さえ、提供されない恐れが強いのだ。

 それだけメジャーでは、節目の記録達成の瞬間が大事であり、価値が高い。ファンの注目を集め、メディアもその報道に注力する。単純に球団の露出が増え、集客にも好影響を与えるだけでなく、記念グッズの販売など副産物もある。到達の映像は、今後何年間も歴史的瞬間として各所で繰り返し流され、ファンの心に深くとどまる。射程圏内にいれば、所属球団が記録達成を後押ししてくれるのだ。

 新天地でのここまでは、予想以上に順調な滑り出しとなった。途中出場を含め全25試合に出場し18安打。年間「116」安打ペースで、規定打席到達も間近に迫ってきた。繰り返しになるが、3000安打到達は今季ではなく、来年の話。それでもその成否は、間違いなく今シーズンの、これからにかかっている。

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