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アリーグMVPは三度目の正直でマイク・トラウト? 【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第14回目は、今季のメジャーリーグのMVPを数値から予測した。

2014/10/31

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WARの数値は、MVP投票の判断材料の一つ

 ワールドシリーズが終わり、メジャーリーグはこれからMVPやサイ・ヤング賞などの各表彰の話題が世間を賑わせる時期に入る。
 MVPは、投手・野手全ての選手が対象になるが、過去30年間でアナ両リーグ60人のMVPのうち投手の受賞者はわずか4人に過ぎない。

 投手にはサイ・ヤング賞がある。MVPは野手から、というのが基本的な流れになっている。
 このコラムでも野手の中からMVPを予想してみたい。

 MVP選出で重要視されるのがWAR(Wins Above Replacement)という指標だ。
 打撃だけでなく、走塁や守備位置ごとの守備成績も加味された総合的な数値であることは、以前、このコラムでも説明させていただいた。

 公式記録ではないが、MVP投票では最も重要な判断材料の一つになっている。

 WARはBaseball ReferenceとFangraphsという二つのシンクタンクが発表している。二つの機関の計算方式は異なるものの、いずれにしても統計学的な複雑な計算で算出される。

 WARは「代替可能な平凡な選手に比べてどれくらい優れているか?」を示している。

 平凡な選手を「0」として、どれだけ傑出しているかを数値で示す。マイナス評価も有り得る。
 Baseball ReferenceのWARではMVPクラスでは8.0以上、オールスタークラスで5.0以上とされる。

 規定打席以上の選手の打撃部門の各成績とWARのランキングを見てみよう。まずはアリーグからだ。WARの数値が高い順に掲載した。
 なおWARは規定打席以下の選手にもつくので、WARの順位はリーグ全体の順位ではない。
 予想の星を付けた。〇は本命、△は対抗、×は穴。

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 WAR1位はエンゼルスのマイク・トラウト。まだ本格デビューして3年目の外野手にも関わらず、常にWARはトップクラスだ。
 過去2年、タイトルとしては盗塁王を一度獲得したのみだが、MVP投票では2012、2013年と2位だった。

 打率が良いだけでなく、本塁打が打て四球が多く、盗塁もできる。
 さらに守備範囲が広い。
 メジャーリーグで野手に求められるほとんどすべての徳目で高い数値を表しているのだ。

 昨年、一昨年とMVPを逸したのは三冠王のミゲル・カブレラなど強力なライバルがいたこと、同時にエンゼルスが下位に低迷したことも影響したと思われる。

 MVPは全米の野球記者の投票で決まる。記者の価値観は様々だ。
 日本のプロ野球と同様「MVPは優勝したチームから選ぶべき」という記者もいるようで、それが影響して下位球団で活躍したトラウトは選ばれなかったと見られている。
 今年のエンゼルスは西地区で優勝。またこの表を見てもめぼしいライバルがいないのが現状。今年こそ受賞の可能性が高いのではないか。

 他には、小さな大打者として売り出したアストロズのアルチューベ、レンジャーズからタイガースに移籍して優勝に貢献したキンズラーなどが上がるが、トラウトの優位は揺るがない。
 またアリーグチャンピオンに輝いたロイヤルズを見ても、エスコバー、青木宣親、ホスマーらの選手とトラウトの数字を比べると、一目瞭然だ。

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