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水谷瞬の「痛がらない死球」が物語る、1軍を懸けた激しい生存競争【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#220】

春季キャンプが順調に終わった。野手のなかで新庄監督が唯一明言したレギュラーは、万波中正のみだ。開幕1軍、そしてレギュラーの座をかけ、オープン戦が始まる。

2024/02/29

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産経新聞社



日本ハム・水谷瞬

明暗わけたが、ポテンシャル高い先発候補

 2/27、巨人との練習試合(沖縄セルラースタジアム那覇)を終え、ファイターズの2024年、沖縄全日程が無事終了した。とても順調な春季キャンプだったと思う。できれば対外試合全勝で北海道に引き上げたかったが、9戦目で沖縄初黒星を喫した。先発金村尚真が4回途中、5失点(80球、被安打8)でKOを食らったのだ。金村は「今日は何を投げても打たれる雰囲気があった」とコメントしているが、リズムが単調になり、球がまとまりすぎていた。コントロールの良いピッチャーなので、出来が悪いときも球が暴れるんじゃなく、逆に打ち頃にまとまってしまうようだ。
 
 一方、リリーフに立った北山亘基は最速157キロ、4回無安打のナイスピッチングだった。開幕までまだ1カ月あるが、この調子ならローテに食い込んで来るだろう。球威で押し込む投球ができていた。身体の疲れさえなければ北山は相手打線を寄せつけないピッチングをする。まして今シーズンは「山本由伸スタイル」のフォームでまっすぐの力を追い求めている。非常に楽しみな内容だった。
 
 が、北山はもちろん、(結果の出せなかった)金村もまだまだチャンスはあると思ってしまう。元々、先発候補として評価の高いピッチャーなのだ。
 
 その点、野手は大変だと思う。この日は万波中正、野村佑希ら主力級に混じって、水野達稀、水谷瞬の「2月中旬1軍合流組」もスタメン起用された。2軍(国頭)スタートでキャンプインし、好調を買われて1軍名護にコールアップされた2人だ。これは取りも直さず「1軍当落線上」という意味である。猛烈にアピールして、開幕1軍を勝ち取らねばならない。野手はどのポジションも熾烈な競争になっていて、スタメンで使ってもらえるのも今のうちだと思う。水野も水谷もバッティングが魅力の選手だから、とにかくガンガン打つしかない。

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