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新天地で才能開花 吉川大幾は、巨人の長年の弱点をカバーする男

昨年、中日を戦力外となった吉川が新天地で躍動している。22歳の台頭は巨人の内野陣に何をもたらすのか?

2015/08/07

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首位固めの立役者

その夜、代役は主役へと躍り出た。

4日ヤクルト戦(福島)、坂本勇人が腰の張りで欠場し、代役遊撃手は吉川大幾。
6月12日以来のスタメン出場に色黒の若者は躍動した。
貴重なタイムリーを含む2安打1打点、守備機会も無難にこなす背番号68。
翌5日は2戦連続で7番ショートとして先発するとプロ初の猛打賞を記録。
チームの首位固めに大きく貢献してみせた。

昨年11月19日、巨人1軍秋季キャンプ最終日。
よく晴れた秋空の下、主力選手達の姿はすでになく、観客もまばらで完全に打ち上げムードのジャイアンツ球場。
ショートの守備位置でノックを受けていたのが、中日を戦力外になったばかりの吉川だった。
10年ドラフト2位指名、「立浪二世」と期待された選手はまだ22歳。
中日入団時は背番号3を与えられた男が、今度は背番号のない練習着姿で泥にまみれていた。
文字通り、ゼロからの再出発。

一度クビになった身。ビビったってしょうがない。
5月23日の中日戦では、ベンチ事情で原監督から緊急捕手起用を打診されると「経験はないけどやります」と即答。
出場機会はなかったもののブルペンで捕手の準備をして備えたという。
そして、ついに訪れた遊撃スタメンのチャンスに一発回答で猛アピール。
真夏の若手の活躍は首位をキープするチームにとっても大きな意味を持つ。

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