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巨人・原監督が要所で使う作戦「ギャンブルダブルスチール」。川相昌弘が語る、成功させる最大のポイントとは

頭を整理して、グラウンドで戦え!実践と復習の繰り返しで、ワンプレー、1打席の濃さは明らかに変わる。犠打バント世界記録を持ち、ゴールデングラブ賞を6回受賞、指導者として中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツで多くの選手を育ててきた川相昌弘が技術論、指導論を体系化した『ベースボールインテリジェンス』(川相昌弘著)が好評発売中!本書より一部を公開します!

2021/02/05

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一、三塁ダブルスチールはベンチが責任を負う

 巨人の原監督が要所で使う作戦に、走者一、三塁でのギャンブルダブルスチールがある。一塁ランナーがスタートを切り、キャッチャーが二塁に投げた瞬間に、三塁ランナーがホームを狙う。
 

 私も二軍と三軍の監督を務めたときには、原監督の影響もあり、よく使っていた。指導者としては、相手との駆け引きが非常に面白い作戦である。他球団がどのようにやっているかはわからないが、巨人の場合はあらかじめ、「キャッチャーが投げたら、三塁ランナーは走る。ピッチャーカットで挟殺になっても仕方がない。ベンチが責任を取るから」と伝えたうえで、作戦を敢行している。これが、ギャンブルダブルスチールを成功させる最大のポイントだと思う。責任はベンチが負う。
 
 ここをはっきりとしておくことで、ランナーは勇気を持ってスタートが切れるのではないか。ベンチとしては、キャッチャーが二塁に投げる状況を読んで、サインを出さなければいけない。
 
 もっともイメージしやすいのが、二死一、三塁、打席に入った下位打者が2ストライクと追い込まれた場面ではないだろうか。どうせ三振になるのなら、ギャンブルでもいいので、ダブルスチールを仕掛ける。二塁に投げてくれたらもうけものだ。
 
 とはいえ、相手からしても「見え見えの作戦」であり、引っかかってくれる可能性は非常に少ない。原監督は、このサインを出すタイミングが絶妙だった。一軍のヘッドコーチをやっているときは、私が原監督のサインをコーチャーに伝える役目を担っていたのだが、「このタイミングで仕掛けるのか」と驚かされることがたびたびあった。

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