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久保田智之、シーズン90試合登板の軌跡。シーズンホールド数、ホールドポイント数は歴代2位――NPB歴代1位記録の詳細を振り返る【プロ野球史を振り返る】

2020/05/28

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久保田、90試合登板の全貌は?

 「JFK」の一角を担った、阪神・久保田智之は2007年シーズンに、藤川球児(阪神)が持つNPBシーズン最多登板記録(80試合)を更新。最終的に90試合登板を記録した。
 
 2007年の久保田は、前年途中まで務めたクローザーからセットアッパーへと配置転換となった。開幕2戦目の3月31日広島戦で同点の6回から登板。2回を無失点に抑え、勝利投手となった。翌4月1日には初ホールドを記録。3、4月は13試合(19回2/3)を投げ、1勝1敗7ホールド、防御率1.37を記録した。
 
 5月は15試合(17回2/3)を投げ、9ホールドを記録したが、防御率3.57と前月に比べて悪化した。しかし6月は12試合(15回1/3)に登板し、1敗6ホールド、防御率0.59を記録。同月は敗戦を喫した14日西武戦の1失点のみに抑えた。
 
 夏場に差し掛かる7月も15試合(17回2/3)を投げ、2勝8ホールド、防御率2.55にまとめた。登板過多による疲労が心配された8月は17試合(19回2/3)に登板し、2勝1敗9ホールド、防御率0.46を記録。抜群の安定感を見せた。
 
 80試合登板で迎えた9月14日に、本拠地・甲子園球場で行われた中日戦の7回から登板し、NPBシーズン最多登板記録を更新した。同年は10月1日ヤクルト戦で54ホールドポイント目を挙げ、当時藤川が持っていたシーズンホールドポイント記録(53ホールドポイント)を更新。55ホールドポイントまで数字を伸ばした。シーズン最終登板となった10月3日ヤクルト戦でもホールドを記録し、同じく藤川が持っていたシーズンホールド記録(46ホールド)に並んだ。(2010年に当時中日の浅尾拓也が共に記録を更新。)
 
 同年は90試合登板もさることながら、リリーフ投手としては異例の108投球回を記録した。厳しい場面での登板や、回跨ぎの登板も多く、フル回転の活躍で投手陣の屋台骨となった。現役選手では、昨季西武の平井克典が久保田に次ぐ81試合に登板している。

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