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相手投手との間合いの奪い合いで勝負 パリーグ優勝を決めた松田の一打

9月以降苦しみながらも3年ぶりにパリ―グを制したソフトバンクホークス。優勝を決める一打を放ったのは選手会長・松田宣浩だった。クライマックスシリーズでも勝負強い打撃を期待される松田だが、自身の打撃理論は非常に独特だ。

2014/10/06

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自分の間合いで打てたとき、ボールが遅く感じる

 打撃において、タイミングや間合いを重要視する松田にとって、その根幹をなす自らの気持ちや感性も大切なファクターだ。その調整は試合前から始まっている。

「まず、試合前のバッティング練習で、その日のボールの見え方を確認します。気持ちとして、収まりが良かったら、それでOK。でも、もしダメだったら、試合に入って、1打席、1球ごとにボールの見方やバッティングフォームを変えたりしながら、しっくりする形を探します。僕は1年を通して、絶対に同じ形で打ち続けることはできませんから。たとえ『ハマった』形があったとしても、体調の変化などで、そのままでは打てなくなってしまう。だから微調整をしながら、自分の気持ちにハマった形を追い求める。シーズン中はその作業の繰り返しです」

 そんな気持ちでプレーする松田に、打席でインパクトの瞬間の感覚を説明してもらったことがある。

「うまく説明するのは難しいけれど、自分の間合いで打てたときは、ボールがバットに当たる前から『ヨッシャー!』って感じになるんです。どんな速球投手が投げたボールだろうが、その瞬間は遅くなったように感じて……そういうときは確実に長打が出ますね。『ヨッシャー!』と叫びながらボールを運ぶ感覚。たとえばホームランを打った打席の写真なんかを見ても、僕はいつも口をあけていますからね(笑)」

 かつて、打撃の神様が「ボールが止まって見えた」と言ったことは有名だが、松田にも似たような感覚が宿っているらしい。そういえば、優勝を決めたあの打席でも、松田は打った瞬間に何か叫んでいた。

 2011年に統一球が導入された時、「飛ばないボール」といて話題になった。
 そんな中、松田は「影響はない」とコメントした数少ない選手の一人だが、その理由がよくわかる。

 彼にとっては、ボールの材質云々よりも、自らの間合いをはかる感性のほうが大事だからだ。

 気持ちで生き、感覚でプレーする野球選手、松田宣浩。クライマックスシリーズ、その先の日本シリーズに向けて、カギを握るだろうプレーヤーの感性が研ぎ澄まされていることは、ホークスにとって頼もしい限りだ。

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