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NPBが考える、新たな野球振興策 「ベースボール型授業」指導用教材作成の狙い

プロ野球12球団と一般社団法人日本野球機構が、全国の小学校で野球、ソフトボールなどの経験がない先生でも体育の「ベースボール型」授業を気軽に行うための手助け、環境作りを目的とした「みんなが輝く やさしいベースボール型授業」指導用教材(DVD付)を制作した。その教材は5月に全国約2万1,000校の小学校に無償配布された。制作に込められた意図や、願いを日本野球機構・野球振興室室長の平田稔氏に伺った。

2015/06/10

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「擬音」を効果的に使う

3年
――実際にどのようなところから指導するのでしょうか。

 まずは、捕ることから始めます。最初に行うのが『セルフキャッチ』。体の前で右手から左手、左手から右手にボールを移し替えていく。体の前でできたら、頭の上や体の後ろでもやってみる。こうして、球に慣れていきます。そのあとにパートナーと3メートルほど離れて、ゴロを捕る。動きとしては、足をパーに開き、お尻を半分下げて、右利きなら左手で捕球したところに右手で『パクッ』とふたをする。このときに『足はパー』『お尻を半分』『せーの、パクッ』という声かけを入れていくと、ゴロをうまく捕れるようになっていきます。

――非常に丁寧な指導ですね。

 投げることに関しては、パチン体操からスタートです。

――パチン体操ですか?

 はい。右投げの場合、足をパーに開き、投げたい方向に左腕を伸ばし、手のひらを上に向けておきます。右手は手の甲で頭を『とんとん』と触る。ここから、腕を振り、右手で左手のひらを『パチン』と叩いていきます」

――ここでも『とんとん』『パチン』といった声掛けが出てきますね。

 擬音を効果的に使うことで、子どもたちは動きをイメージしやすくなるのです。

――ルールについては、どのように伝えていくのでしょうか。

 ルールを理解するのは本当に難しいですね。そのため、学年ごとに、『バックホームゲーム』(3年)、『フォースプレーゲーム』(4年)、『タッチプレーゲーム』(5年)、『ホームインゲーム』(6年)と段階をもうけ、少しずつ野球に近づけています。バックホームゲームは、ボールを捕った野手は必ずホームに投げる。ホームにボールが届くまでに、打者がどれだけベースを踏んだかによって得点を加えるルールです。

次回のインタビューは13日に更新予定です。

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平田稔(ひらた・みのる)
一般社団法人日本野球機構 野球振興室室長

◆「みんなが輝く やさしいベースボール型授業」指導用教材

小学校3年生~6年生の体育で「ベースボール型」授業を気軽に行うための手助け、環境作りを目的とした、先生方への指導用教材(DVD付)
授業の時限単位、学年ごとの進め方などを分かりやすいイラストを用いて丁寧に説明。DVDでは実際の授業を行っている場面を収録し、動作や児童への声かけなど指導のポイントを分かりやすく確認することができる。全国約21,000の小学校に無償配布の他、都道府県、市町村教育委員会へも配布を行った。

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