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【データで選出7月月間MVP】オリックス・吉田正尚、カープ・鈴木誠也が打撃で差をつけトップ。投手は則本昂大が復帰月にいきなりの最高評価

2019/08/05

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オリックス・吉田正、広島・鈴木がトップ。巨人・坂本勇は打撃だけなら2人を上回る活躍

 評価には(1)セイバーメトリクスの一手法を用いて選手のはたらきを得点換算し、(2)同じ出場機会を「平均的な成績の選手」が担った場合のはたらき(得点)を基準(=0)に置き、どれだけ上積みをつくったかという推定値を算出して行った。「平均的な成績に対して大きな差をつくり」、また「その状態で多くの出場機会を重ねていく」ことで増えていく数値なので、質と量、両面での貢献を見ることとなる。図中の[]で囲んだ項目でグラフが右に伸びているものはリーグ平均以上、左に伸びているものは平均以下だった数値だ。

 まず野手からみていく。パ・リーグは吉田正尚(オリックス)、セ・リーグは鈴木誠也(広島)がそれぞれ12.3点、14.4点と最高の貢献を果たした。
 
 吉田正、鈴木はともに打撃で大きな差をつけた。平均的な打者が同じ打席数に立った場合と比べて、吉田正は11.7点、鈴木は10.0点チームに多く得点をもたらしたと推定できる。
 
 だが打撃のみの貢献であれば坂本勇人(巨人)が彼らをしのぐ。坂本勇は同じ指標で13.8点を記録。打率や出塁率、長打率で吉田正や鈴木と大きな差はないが、108打席と多くの打席に立ちながら成績を残したことで差が生まれたようだ。

打撃好調ではなくとも守備面で高い貢献を見せた西武・外崎

 守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、今回のように異なるポジションの選手を比較する際は、ポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
 
 この分野で最も高い貢献を示したのが外崎修汰(西武)だ。外崎は二塁手としては高い打力をもつ選手であるが、7月に関しては打撃が好調だったわけではなかった。打撃貢献の値も0.0とランクイン選手の中では最も低い。しかし今季定着した二塁で好プレーを多く記録。平均的な選手と比べ4.4点多くチームの失点を防いだと評価された。ほかにはセ・リーグトップの鈴木が守備面でも高い得点を記録している。

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